カッコいいな!
日本陸軍航空隊は、モスクワ近郊に達した戦場に実戦での評価のため、最新の襲撃機、川崎のキ102乙を派遣してきた。
「2式複戦より強そうだしカッコいいな」
「そうでしょう、うちの自信作ですから」
と、川崎航空機の技師は胸を張っている。
「ただ、排気タービンだけは、うちも苦労してますんで、とりあえず襲撃機としてのキ102乙だけ持ってきたんで、そこはご容赦ください。どうせイワンの連中にはBー29みたいな化け物ないでしょう?」
「いいよ、今のところ欲しいのは缶切りだから」
「缶切り?」
「イギリスの連中がいうところの対戦車攻撃機だよ。
実は今、キ109が一人頑張ってるんだが、問題があってな、やはり75ミリ高射砲は弾数がどうしても少ない。反復攻撃してると、すぐ弾切れになる」
「その点、うちのキ102乙ならば」
「そう、弾数はあるし、威力も十分だしな。ところでいつから出せる?」
「弾薬も定数積んでますし、この空域への慣熟訓練程度からなら、あと1時間くらいで行けますが」
「いいね、ちょうど三式戦2型改も出せるから行ってもらおうか?」
「了解、準備でき次第ご報告いたしますが、あの3式のエンジンは大丈夫ですか、、、?」
「やはり、心配か?多分、内地の各部隊より調子いいかかも。実はな、ここだけの話、エンジン本体は元々のハ140だけどな、補機やら点火栓、ガスケットやらなあちこちはドイツ製に替えてある」
「なるほどね、そういうからくりですか?」
「他にも整備員は、近隣のドイツ空軍部隊から出張教育にきてもらって、改めて液冷エンジンについての訓練もしてる」
「そりゃ頼もしい、内地でもやはり液冷エンジンに慣れた整備の方が少ないからって、うちからも応援したりしてるんです」
「やはり、高い稼働率を支えるのは、人間様なんだよな」
「そうです、飛行機も女房も同じです。機嫌良くしてもらうには、気をつけないと」
「お互い同じように苦労してるな!」
苦笑しながらも、さっそく出撃準備にかかる、日本陸軍航空隊であった。
この機体、好きなんで出して来ました。
排気タービンやらややこしいのつけなければすぐ活躍できるでしょう




