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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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これも買いました

とある偶然で入手された機材が、とっても役立った話です

「これ買ったって?」

「はい!」

臨時ウクライナ支隊の本部の天幕ではこんな会話がされている。

もともとこの部隊の任務には「技術情報収集」があるため、様々な武器、軍需品に関する情報が入ってくるのだが、なかには「多少、素性の怪しい筋」からの情報や現品の持ち込みがあるのも、これまた仕方ない話である。

よく解らない(ことにしている)茶褐色のしみがついたマップケースに入ったソ連軍の地図や、 なぜここにあるか、解らない(ことにしている)他国の兵器だったりする。


今、作業机にある代物は、後者である。

「これって話に聞いてたスーパーバズーガってやつかね?」「そうです。連中が言うところの3.5インチバズーガですね!」

「見てください、砲口がラッパ状になってるから、噴進弾が加速して出る時のガスが射手に向かいにくいのです。

ですから、ドイツのパンツァーシュレックみたいな防盾が要らんようです。

おおむね同じ口径なんですが有り難い話です。」

「貴様がどうやって入手したかは、ワシは知らん。いいな。」「はい、それでは」

「至急、そうだな、立川あたりから来た航空の連中に頼んでもいいし、こないだ懇親会で知り合った海軍さんの空技廠のなんとか言う少佐に頼んでもよかろう。大分とこちらの払いで飲んでもらったからな。

とにかく手段はかまわない、至急こいつを、「国産」としてでっち上げて、すぐ寄越すようにしろ。」

「多分そうなると思いましたので、発送すみであります。」

「よし。ワシは何も知らん。いいな?」

「一応、出処は単なる捕獲品とだけしておりますから大丈夫です」

「うん、この戦場は都合のいいものが転がってるんだ。そうだよな大尉」

「私もそう思います」

「これで我が陸軍歩兵の流血が少しでも減ればいいのだ」

かくして、大阪砲兵工廠では「試作対戦車擲弾発射機」として「開発」した書類が1年遡り作成され、あっさりと稟議書に判子をつかれ、量産命令が出て、できた端から、二式大艇で運ばれ、ウクライナ支隊の機動歩兵に集中配備されることになる。

かくしてこの発射機は、ISー3や4とか4式中戦車改ですら苦労するソ連の重戦車キラーとしてモスクワ正面で勇名をとどろかすのであった。


なお、購入に必要な代償は、「食料品」であったため、安い買い物であったが、決して公式な記録には残されなかったのである。


スーパーバズーガは大戦中にできてたが、お蔵入りしていた代物でした

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