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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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ウィルヘルムスハーフェンのビスマルクは?

黒海での作戦後に仕事がなくなったビスマルクですが

ドイツ海軍は迷っていた。

わがビスマルクをどう活用すべきか?


これは議論と予算と妥協の三つ巴の話となった。


黒海の作戦を最後でビスマルクをはじめとするドイツの戦艦は仕事がなくなった。

艦砲射撃したくとも、すでに戦線は射程外にあり。


モスクワは沿岸からは600キロメートルは離れている。

これが、30年も後になれば、誘導装置の進歩や、燃費のよい小型ターボファンエンジンの出現による艦載巡航ミサイルの実用化で「ミサイル戦艦」としてモスクワ攻撃の一翼を担えたであろう。


はたまた、ソ連空軍がもう少し対艦攻撃に威力を発揮できたならサンクトペテルブルグに進入する米英の艦艇や輸送船の支援にその対空火器を活用できたであろう。


残念ながら、ソ連空軍の弱体化は想定を越えるスピードであった。

ドイツとの開戦で大損害、並みの空軍ならこの時点で消えてなくなる位の損失である。

しかし、膨大な損失を疎開した工場で生産された新型や、レンドリースにて送られた機体で補給したおかげで、なんとか復旧しようとした矢先にレンドリースでの補給途絶である。

さらに、米英が参戦したことによりドイツだけではなし得なかった本格的戦略爆撃は、ウラル方面に疎開した工場群すら破壊しだした。


前線では米英及びドイツによる航空撃滅戦に巻き込まれ、補充は痩せ細りでは、首都を目指せ敵地上軍への攻撃に全力をあげるか、防空に必死になるしか選択の余地はなくなった。


一時期、アメリカ第3軍の進撃を阻止するため、主要な補給港である、サンクトペテルブルグを襲う作戦も行われたが、占領直後から強化された防空網に阻まれ、二回の空襲で参加した攻撃隊の7割を失い「サンクトペテルブルグ射的大会」とまで言われるほどな損害を受けて断念したこともあり、以後ソ連空軍または海軍航空隊による本格的な対艦攻撃は意図されなくなったのだ。


そのため、ビスマルクは以前損傷して以来、放置されていたB砲塔を修理することになり、きちんと、復旧できたのである。

実はこの時、「修理にあわせて近代化改装を」の話があり、例のベアルンに積んで戦果があった各種誘導弾を搭載するのが検討された。

しかし、いずれも未だに開発中の兵器で不安があることや、より小さな艦艇、軽巡洋艦以上の艦艇なら搭載できる兵器をわざわざ戦艦に積んでもとなったのだ。

また、関連する機材、各種アンテナなど取り付けるには意外なスペースが必要であるのが問題にもなった。


結局、ビスマルクは従来の戦艦という形で運用することになったのである。

同様な検討は各種艦艇にも行われた。

その中で、シャルンホルストとグナイゼナウは、十分な艦内スペースやそろそろ改装すべき装備などから、本格的に誘導弾など装備する改造が行われることになったのである。


まずシャルンホルストが、後部のC砲塔をおろし、その跡に対空誘導弾発射機、弾庫、誘導装置を搭載した。

あわせて航空関連装備を撤去、副砲を撤去して、そのスペースに対艦誘導弾と関連装備を搭載した。


機関不調などもあったグナイゼナウについてはより一層突っ込んだ改装をすることになり、一度すべての火器をおろし、誘導弾だけを装備することにしてみたのである。


この2隻は第1線を退いた後も様々な試験艦として長く使われることになるとは、当時は思いもよらないことであった


さあどうしようかです

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