Bー36もらくじゃない
発進したBー36もらくじゃないですね。
なんせ真空管全盛期の「先進武器システム」ですから
何とかマグディール空軍基地を上がった私の機体は、遠路はるばるモスクワ近郊を目指す。
我が機には、通常の爆弾としては最大級の12000ポンド爆弾がつまれている。
話を聞いた限りは、若干の範囲でなんと誘導できるらしい。
爆撃手はBー17以来、大型爆撃機を乗り継いできたベテランだからなんとかしてくれるだろう。
やはりKー3A爆撃照準システムという、とんでもないシステムを積んでいるとは言え、真空管のお化けのような機械である。
どうしても、やれヒーターが断線だ、真空管のソケットの緩みだ、なんだかんだで、高性能であるものの、安定して作動する時間は短いもんである。
予備の部品まで搭載して機上である程度対応できるようにしてはいるものの不安はつきものである。
寒空の中、進撃を続けてようやく、ソ連の大地を眼下に眺めつつモスクワを目指す。
と思うと、6番エンジンの油圧低下、が機関士から報告されてきた。
見る間に回転数も落ち、機銃手からはエンジンナセルにオイルリークが見えるとも言っている。
エンジンシャットオフして、プロペラはフルフェザーの位置にして、ウインドミル状態にならないようにする。
さらにジェットエンジン始動して、敵迎撃機に備える。
8基の銃座はまだ、格納状態であるがいつでも展開可能状態にある。
最近は、サンクトペテルブルグからの航空撃滅戦や、イギリスやドイツの空軍(一部日本軍の航空部隊も)からも攻撃されてモスクワまでの行程にある空軍基地は機能不全、に陥ってるし、さらに迎撃機を指揮すべきシステムが、電子戦用に改造されたBー29やリンカーンとかにかき回されて機能不良だから余計に悪いようである。
さらに今日は、頼もしい「相棒」も参加してくれている。
就役したばかりのBー45が実戦テストである。
まだできて間もないから、苦労しているようだが、こちらがモスクワに着くタイミングで空襲する手筈だそうな。
私が航空機関連の計測器校正業務してた頃、最後の真空管チェッカーを見たことがあります。真空管をチェッカーに差し込み、導通の適否を確かめる機材でした。




