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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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ピースメーカーの天下のために

第二次大戦末期のBー36の活躍を支えた戦闘機や爆撃機の話です

Bー36は当初、「護衛なしで大丈夫?」との懸念が出されていた。


しかし、サンクトペテルブルグに大規模な前進基地を得たことから、少なくともレシプロ長距離戦闘機のエアカバーを受けれることが確実になったことが、あれだけの活躍につながった。


また興味深いのはBー36のとンでもない長距離飛行能力、実用上昇限度が、なみの護衛戦闘機の能力を越えていたので、「爆撃機に張りついての護衛」は最初から断念されたことである。

そのために「護衛」戦闘機は、前進基地から飛び立ち、より自由な形での「制空任務」が可能になった。

今までのようにたくさんの燃料を抱えたままで、爆撃機から離れずと言うような「鎖に繋がれた猛犬」でなく「自由に獲物を狩る虎」になったのだ。


ドイツ空襲で得た経験を生かしているこの作戦は、今までフラストレーションを抱えていた戦闘機部隊から両手を上げての賛同を得たのである。


またさらに興味深いのはこの「制空」作戦は、地上撃破を重視したことである。


一旦空に上がった戦闘機は、幸運の女神がついていたら、例え旧式戦闘機と言えど、まぐれ当たりでより高性能な機体に勝利しないとも限らないのである。

だから、地上で、できれば地上支援の機材、人員とまとめてぶっ飛ばしたほうがより効率的なのである。


お陰でBー29部隊が、以前にもまして、夜間低空爆撃による敵基地襲撃に精を出すようになったのだ。


大型機ゆえに優れた航法能力、たぐいまれな搭載力、さらに当時としては最先端のレーダー照準爆撃を夜間、それも探照灯が効果を発揮しないような曇天に低空で行ったのだ。


それも、V1飛行爆弾の防空作戦の経験を生かし、軽対空火器の届きにくい高さで、かつ重対空火器には角速度が速すぎる、高度を選択。

さらに、既知の対空陣地を常にチェックして、有効半径内をさけるフライトを実施した。


そのためにサンクトペテルブルグ近郊の基地ではBー29に出撃回数を示す「出撃マーク」より地上で撃破した戦闘機などの「キルマーク」を描くのが流行して、獲物をかっさらわれた戦闘機隊からブーイングされることもあったとか(^-^)。


Pー51Hや、Pー82、Pー47N、また特別に燃料タンクを拡大して、航続距離を伸ばしたPー80Cも少数ながら参戦して、「落ち穂拾い」(とBー29の連中から言われた)にいそしんだのである。


なおこの作戦にはドイツ空軍も興味を示して、小規模ながら似たような作戦を展開した。


こちらは残念ながらBー36なみの高性能とはいかない、He277(あの双子エンジンの悪夢のHe177の真っ当な4発型)を爆弾を積まない囮爆撃隊にして、ソ連機を誘き寄せ、前進基地から発進したMe262で叩き、怯んだ間にDo335重戦闘機が突っ込んでいる。

そしてほうほうの体で、基地に戻るソ連機は別動隊の日本陸軍航空隊の五式戦闘爆撃機やFw190やらの襲撃で、降りるところを狙ったりしたのである。


地味だが効果的な航空撃滅戦と、戦後の戦史叢書「モスクワ方面航空作戦(1)」にも書かれている。




せっかく敵地に前進基地を得ている場合での戦略爆撃ですから、戦闘機なんかにも活躍の場を(^-^)。

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