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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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キ109奮戦記

キ109は防空戦闘機としては落第でしたが、思わぬ活躍を

低空で突っ込んできた双発爆撃機は機首の機関砲から、こっちにぶっぱなしてきた。


飛行機からの射撃なんざ機関砲程度のもん、とたかをくくっていた、親衛重戦車連隊のISー4に乗る少尉は驚いた。


重量ではソ連軍最大の60トン、火力、装甲も最強の戦車が、一撃で破壊されたのだ。


「嘘だろ!」

と感じるまもなく、彼の車両の前にいたISー4がぶっとばされ、エンジン部分から黒煙を吹き出した。


進撃するドイツ軍の重戦車大隊を側面からたたくために、対空偽装をかなぐり捨てて殴り込んだは良いものの、ドイツ軍の側面から攻撃開始寸前に、敵の観測機に発見され、攻撃隊を送り込まれてしまった。


以前にいた部隊が、Ju87Gとか言う、旧式爆撃機に機関砲を搭載した機体に叩かれたなんて話はもう過去の話と思っていた彼には、とんでもない不快な驚きだった。


あのときはまだTー34だったし、やられてもおかしくなかったが、今の戦車はソ連軍最強のはずなのに!


確かに彼の考えは正しかったようである。

被弾した1両は仕方ないとして、このまま突っ込んでいけばいい。

戦意あふれる少尉のこの判断は、たった1機、日本陸軍航空隊が投入してきたキ109特殊防空戦闘機の奮戦で大敗北を喫する原因となってしまうのである。

並のソ連軍の戦車と違い、より防御力の高いISー4の実力を感じたキ109は、その後方にいる補給部隊の攻撃を在空中の観測機に連絡した。


連絡を受け、出撃してきたのはダイムラベンツの液冷エンジン の整備をドイツ軍から直伝された連中の整備した絶好調の3式戦2型改、爆装した5式戦の編隊である。


3式戦がカバーする中、5式戦は翼下の「投下タ弾収容筒」をばらまいたのである。

これは後世のクラスター爆弾の元祖であり、多数の成型炸薬弾を散布するためのコンテナであった。

さすがにタ弾といえ、重装甲の戦車には効果ないが、重戦車の行動を支える補給段列の車両には、破滅的な損害を与えた。


ドイツ軍の側面をつくために、路外機動を強いられたソ連軍の重戦車は、著しく燃料を消耗したのが、悲惨な結果につながっていくのである。


燃料欠乏から停止を余儀なくされた重戦車は、有力な援護を受けたキ109から繰り返し、執拗な攻撃を受け、1両、また1両と撃破されてしまった。


話を聞き付けたJu88Pまでしゃしゃり出てきては、さすがに親衛重戦車連隊も完全に勝ち目をなくし、わずか数両まで打ち砕かれてから、降伏の意志を示したのである。


この報告を受けて、陸軍航空隊は、キ109「襲撃機」として扱うよう部内に通知したのである。


また対地攻撃にも活躍できることを証明した5式戦は、「5式戦闘爆撃機」として活躍、ジェット戦闘爆撃機であるFー84が導入されるまで、戦闘爆撃隊の主力機材として奮闘するのである。


低空でも運動性能に定評のあった飛竜の従兄弟です。

襲撃機としての能力はなかなかでした

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