アメリカ陸軍レンジャー大隊
アメリカ軍のレンジャー大隊からも部隊が派遣されています
今回アルハンゲリスク近郊に上陸した部隊には、アメリカ陸軍の各レンジャー大隊から選抜した臨時編成の1個中隊が派遣されている。
本来ならば、通常編成のままが楽な訳だが、ロシアの大地での活動となれば、亡命ロシア人の家系の隊員を各大隊から選抜したほうがふさわしい、となったのである。
亡命後も家庭内での会話にはロシア語とか言う家も多かったようで、普通にしゃべれるし、古参の士官にいたっては赤軍と戦った経験すらあるのだ。
彼らは密告されるリスクをおかしながらも、ロシア人の中に入り込み(いや戻ったと言うのが正解か)、住民の中にネットワークを構築していく。
幸いこの辺境には都会と違い、監視の目も少なく、なんといっても辺境においては、自然との闘いのほうが厳しいので、政治的プロパガンタよりも、食料、燃料を供給してくれるものが「正義」となるのは当然であった。
そして地域に少しずつ足場を築いていく彼ら(建前はNKVDから派遣されたパトロール隊)は根拠地を設定した。
以前の偵察で発見した郊外の放棄された水産工場に拠点を設けたのである。
臨時のパトロール隊と言う触れ込みであり、周辺住民からも怪しまれることはなかった。
幸いそこには、放棄された漁船もあったので、応急処置で機関を修理、再度運航可能にしたのである。
そして夜間、近場の海面に定期的に浮上してくる潜水艦からの補給を受けるのである。
「そろそろだな。上空は大丈夫か?」
「大丈夫ですね。最近こちらには友軍じゃない、アメリカンスキーの爆撃機は来てませんからね」
「ことば使いには気をつけろ、イワン(^-^)」
水産基地から出てきた漁船は、いかにも「漁場から戻る途中にエンジントラブルで漂泊して修理中」を装い、定時になるのを待つ。
としばらくして、漁船の後ろで「信号確認しました」
「了解」
「まもなく本船近くに浮上します」
「よし、総員荷揚げ準備だ」
漁船員の姿をした隊員たちは、漁船の後部に集まる。
「でけーフネ」
そう彼らの前に浮上したのは伊号401であった。
浮上した本艦は直ちに水密式の格納庫から補給物資を引き出し渡す用意をする。
本来なら晴嵐を3機積める格納庫に補給物資を積めるだけ積み込んできたのである。
そして帰りには、最近傍受した電波情報などを記した報告書なんかを持ち帰る。
今回は特別に不時着して、捕虜になりかけたフランス人操縦士をも、乗り込ませる。
あのサンテグジュペリである。
三度目の不時着、にさすがに疲れた表情である。
今回は不時着して近隣の高射砲陣地から出てきた兵隊たちに捕まり、後送されるところを、レンジャー部隊が化けたNKVDの巡察に遭遇したのだ。
NKVDに身柄を移され、不安なところに、茶目っ気たっぷりな士官が、本人の著作を持ってサインをもらいに行ったから、大笑い。
かくしてあの星の王子様の作者は日本の伊号401に乗り、生還することになる。
彼らNKVDの隠れ蓑のもとに、はのうのうと地域に根を張り補給路を確保しています




