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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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陸軍航空審査部 ウクライナ派遣班

ウクライナに陸上部隊の派遣は さまざまな効果を発揮したために、陸軍航空審査部もソ連の新型機材の情報収集や、わが軍の新型機の実用試験のために、部隊を派遣します。

日本陸軍はウクライナ派遣隊が現地のドイツ軍などと良好な関係を築いて成果を上げていることから、陸軍航空審査部からもスタッフを派遣して情報収集や、陸軍の新型機材の実戦テストを行うことを決定した。

(同様に海軍も航空技術廠から人員を派遣、同様の任務を行うことになった)


陸軍も旧式なソ連機とは、ノモンハンや大陸での作戦中に多数交戦して、十分な情報を得ているが独ソ戦が始まってからの機体の情報には乏しいきらいがあったのである。


そのためヤコブレフ、ミグなどの戦闘機、イリューシンの爆撃機、などドイツ軍の捕獲機を詳しく調査する機会は極めて貴重であった。


また新兵器のテストもあわせて行われており、飛燕2型については、直接現地のドイツ空軍からエンジン整備の支援を受けたりでき、「国内よりも稼働率が 高い」と言われたり、外地の前線では、適切な整備や補給困難だったりするため、空冷の金星エンジンに交換した飛燕(後に5式戦となる機体)を計画する参考に、フオッケウルフの最新型を調査したりできたのは、陸軍航空隊の戦力向上に大いに役立ったとか。


スエズ運河にて日独の連絡が密にできるようになって以来、技術交流が進んでいたが、ドイツ空軍の現場において、直接技術者が生の情報をすぐ得ることができるのは想定されていた以上の効果があった。


また興味深いのは、戦車部隊が現地で試作中の兵器を改造したり、現地でドイツ軍兵器を組み込んだりして成果を上げているのを参考に、捕獲したソ連軍の戦闘機から取りおろした機関銃などを飛燕、5式戦に搭載したり、2式複戦の武装強化に活用したりされたのだ。


実はドイツ軍の誇るMG151/20はアメリカですらコピーし得なかったのである。

冶金技術、熱処理、計測機器で大きな差がある日本では、とてもじゃないが無理。


一方、ソ連機の機銃などは、ドイツ機のものよりざっくりした作りであり、まだコピーしやすいものであった。

かくして、エンジンにはドイツの技術、機体は日本で、兵器類はソ連、通信機材はレンドリースできたイギリス製品なんて変わった組み合わせの機体が、ウクライナの飛行場で見受けられるようになるなどの「成果」が現れてきた。


同様な話は海軍が持ち込んだ彗星でもある。

こちらも当初、「アツタ」で苦労していたが陸軍同様な支援を受けてかなり稼働率が向上した。電気駆動で操作する部品をドイツ製に替え、通信機のアースを取り直し、なども稼働率アップに貢献した。


彗星にも同様な金星エンジン搭載の話があったが、研究した結果、プロペラのグラウンドクリアランスの問題から約20センチ小さなものにせざるを得ないとの、結果から断念して、アツタの玉成に全力を注ぐことになる。


彗星は、コンパクトな艦上爆撃機にまとめて、主翼の折り畳み機構を省略するなど工夫した代わりに、新たな装備追加などの余地も少なくなり、早々に艦上攻撃機として雷撃も可能な同じ会社の流星に、更新されたのはやむを得ないことであるが、

陸上で近接航空支援に使う場合などまだまだ有効に使えるので、結局対ソ戦の前線では最後まで使われ、モスクワが陥落した時最初に着陸した日本海軍機として記録されることになった。

このようにウクライナには陸海のさまざまな部隊、機材が投入されていき、後の日本陸海軍の近代化に大きな影響を残したのである。


このあと、史実ではあまり活躍できなかった陸軍機などを活用してみたいと思います。

電気、通信機などドイツの技術を入れて改善したり、十分な技術支援を受けれる環境なら誉エンジン搭載の機体も活用できるだろうし、そもそも対ソ連を意識して作られていた陸軍機ならば、本来の戦場でもありますから、活躍できたかも?

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