1947年の最重要課題
いよいよソ連での戦闘のけりが着いたら、この長きにわたる第2次世界大戦も終わることになります。
そのためにする作戦は、、、
第2次世界大戦が始まりはや、8年。
太平洋、大西洋、インド洋は静まり、洋上には懸命に物資を運ぶ戦時建造輸送船が行き交う。
残る戦場はソ連だけである。
ソ連自身も膨大な損害を受けている。レンドリースできた物資もかなり消耗してしまった。
でも、共産党指導下のソ連は、戦い続ける。
戦い国民を守るのではなく、体制を守るために国民が犠牲になるのである。
スペイン戦争の最終局面、マドリッドで徹底交戦を主張して他の勢力と内紛を起こしたスペイン共産党などの例(例え、内紛が敵を利するとしてもやっちゃう)など見ても、「共産党」と言うものの異質さが現れている。
また興味深いのは「プロレタリアート独裁」という考えである。「労働者が権力を持ち、反革命に対抗する」のがもともとの発想であるが、これを「自分たちが奪取した権力を維持するための方便」として活用したのである。
(後に日本の共産党など、巧みに言い換えを行い、ごまかしているが、党首選もないコチコチの「独裁」を行っているのを見れば本質は変わらないのは明白である。
共産党が好んで使う「民主」だが「党内には全くない」からこそ、憧れて?好んで使うとも?)
ただ逆に言えば、さらにこの共産党のトップ、スターリンを狙い打ちにして戦争終結を狙う考えも出てくるわけで、英国、米国、そしてドイツ、日本とそれぞれのお国柄に合わせた「スターリン捕捉作戦」か立案され実施されていくのである。
規模のでかさは、やはり大陸間爆撃機すら動員し行おうとするアメリカであろう。
ドイツは、あのスコルツェニー大佐を中心とした特殊作戦を検討している。
イギリスは、SASやコマンドウを活用した特殊作戦を考えたり、また例のウォーリス先生に「秘密兵器」の検討を依頼する。
日本は、あまりにも遠いところでの作戦課題に頭を抱えている始末。
なんせ海軍は対米戦で頭が一杯で来てたし、陸軍にしても対ソ戦は考えても、極東ソ連軍で精一杯であったのだ。
それが突然、ソ連の中枢を叩く話をされても、悩んでしまうのである。
なんせ、国内の共産党退治でも苦労しているのだ。
悪名高い治安維持法、特別高等警察など、行き過ぎを感じさせるほどの弾圧をしても、あっちこっちにゴキブリのようにいるのである。
その共産党の総本山のソ連共産党のトップを叩くなんて、考えてみたこともないから、頭を抱えてしまう。
とりあえずは他国と協調して、対応することになったのである。
かくして、、このように各国取り組もうとしたが、何よりも、スターリンの居場所を特定する作戦が最重要課題となったのである。
英米の一部では、「面倒だから一撃で」と研究中の「チューブアロイ」つまり原子爆弾を使い指揮中枢もろとも吹き飛ばす話を考えたりしたが肝心の原子爆弾が例のMk2「やせ男」研究で時間がかかり他の型式も、材料不足、開発の遅れから実戦配備が間に合わないのが明白になり、このオプションは破棄された。
さあどうする?である。
「スターリンを捕捉せよ」が至上命令になりました




