チト車、4式中戦車の主砲の再検討
クルスクで各種戦車砲を調べたが?
「この会議では、先にクルスク野外修理工廠で調べました各種火器の報告と、今後の対応について話を進めたいと思います」
「はじめに、結論からいえば、チト車、4式の主砲には、パンターと同じ主砲の採用が望ましいと考えます。
理由は、まずコンパクトで、すでにパンターに搭載され熟成していることが最大の理由です。
また、現在の4式高射砲改造の戦車砲は56口径であり、今後の発展型を考えると、能力向上の余地に乏しい可能性があります。
また近年高射機関砲でありました、コピー生産が失敗している例から考えますと、冶金や部材の熱処理、鍛造、発条製造、工作や測定器具の精度、品質管理、工程管理など、兵器生産どころか、機械工業のいわば基礎体力にあたる部分に問題があることを示しています。
当面の国産はあきらめ、まずはパンターの主砲、7.5cmKWK42を必要数購入して、それから正規ライセンスの元、技術指導を受け、かつ我が国でも各工廠及び協力企業のレベルアップを計り、その上で可能な箇所から国産に以降するべきと考えます。
甚だ遠回りな話でありますが、ドイツと我が国の基礎的な工業力を埋めるには、近道はありません。
さもないと、いつまでも我が国はまともな戦車砲を作れないままに終わります。
現在のような非常時だからこそ必要な措置であると考えます。
なお、現在のウクライナ派遣隊にある4式を現地改造で行う場合の作業工程、簡単な改造図をこちらに用意しました。
できましたらとりあえずこちらで改装しさらに、今回の作戦で実用試験までやれればと考えております。
よろしくご検討のほど、お願いします。」
「ありがとう、大尉。
ただいまの報告について意見は?」
「異議なし」
「残念だがもっともである。」
「そりゃ4式中戦車の早期戦力化を考えたらやむを得まい。」
「異議なければ、この報告をウクライナ派遣隊の総意として、早急な手配を求めよう」
かくして、4式中戦車は現地改装の上、モスクワ攻防戦に投入されて、第2次大戦最優秀の日本戦車として記録されることになる。
なお余談であるが従来からの秘匿略号は5式にいたると「チリ」になり「縁起悪いな」と忌避され使われなくなっていく。
さてどうなるかな?




