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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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作戦「ガーデン2」開始

イギリス軍がソ連軍の用意した縦深防御陣地に引っ掛かり、そこにソ連軍の反撃が指向されたとき、アメリカ軍の進撃が始まった

アメリカ第3軍の攻撃開始である。


予定していたタイミングで、つまりイギリス軍主体の第21軍集団が大規模なソ連軍の防御陣地で足止めされ、さらにその後方から側面を、予備隊で突かれる状況になった、瞬間その戦域をかすめて、第3軍が前進を開始したのである。


振り回されたのは誰よりも、反撃に移ろうとしたソ連軍のジューコフ将軍である。


イギリス軍の側面、それもちょこざいにも、ポーランド軍部隊である。


呆気なく崩壊させて、イギリス軍の攻勢を頓挫させてやろうとした矢先に、さらに外側からソ連軍の後方に回り込むような機動をされたのである。

「パットンに主導権を握られた」と直感したジューコフ将軍だが、一度動きだした部隊を方向変えても、また混乱するだけだから、腹を決めて続行させたのである。


「ジューコフはそのまま行くらしいな(^-^)」

前進指揮所代わりのハーフトラックに乗って前進しているパットン将軍は、不敵な笑顔を見せた。

アメリカ軍の前進に、右往左往せず、当初のイギリス軍の撃破を優先させた判断は妥当と感じたからだろう。

優柔不断な指揮官ならば、すぐ作戦中止して、方向転換したり現在地にて一度止まったりしただろう。


つまり今のこの戦況は、イギリス軍がこの戦域の敵の予備隊まで吸引している間、にどこまでモスクワに迫れるかがポイントである。


そのために可能な限りの部隊を糾合して、前進するのである。

「ガソリンある限り前進せよ」が第3軍のモットーとして掲げられた。


一方のスタフカ、つまりソ連軍の最高司令部は大騒ぎして、パットンに対抗する予備隊をかき集めようとしたが、パットンの進撃は、早すぎで対応できないのである。


しかも、ウクライナから発進したドイツの中央軍集団、南からあがってきた南部軍集団がこれまたえらい勢いである。


これまでソ連軍の反撃に辟易していたマンシュタイン将軍やらドイツの将軍たちは、久しぶりの大規模な反撃に「イワンめ、教育してやる」とばかりに、前進するのである。

この大規模な進撃はこの東部戦線では新顔の「助っ人」も来ているからスムーズに動いている。


一つはサンクトペテルブルグに到着した空母ミッドウェイを中心としたアメリカ海軍空母部隊からの地上支援。


もう一つはあたふたしながらも作戦開始に間に合った日本海軍の空母からの地上支援である。


特に第1航空艦隊の「加賀」にいたっては、日中戦争で、同様の任務についた経験を生かして、友軍のドイツ軍に支援を提供している。


本来、日米ともに空母部隊は沿岸地域が本来の作戦地域だが、支援うけるアメリカ陸軍にしても、ドイツ軍にしても、前線の基地を前へ推進していくのはよくあることである。


そもそも空軍全体がほとんど「戦術空軍」と言えるドイツ空軍、ちょっとした足場を作ればたちまち本格的な基地を推進できるアメリカ陸軍だから、余裕である。


また艦上機の整備は沿岸に展開した前進基地も活用して、十二分に行い、乗員も休ませながら作戦できるのは、好評である。

特に米軍は陸軍の増援として、海兵隊が投入された時から、海兵隊航空部隊も同時に投入されたために、さらにスムーズな近接航空支援を提供しうる。


ソ連の南北では今まで述べたような航空支援が英米、ドイツの各軍に提供されているが、さらに強力な「戦略爆撃」がソ連軍後方地域におこなわれようとしている。


アメリカ本土から飛来したBー36、名前はいみじくも「ピースメーカー」である。


その様子は後の章で詳述する


さあどうしよう

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