さて忘れられている国があります
ドイツ軍が占領して早数年経過したフランスはなかなか扱いにくい国であり、ドイツ軍ももて余していた。
すでに英米と休戦した以上、フランスに駐留している意義が低下している。
さあどうする?
ドイツに占領されたフランスのいく末が、英米と独の間で厄介な問題となってきた。
ドイツの多数の将軍、提督はすでに占領地としてのフランスを負担に感じている。
なんせフランス自体がまとまらない。
ドゴール率いる自由フランス、と現在のビシー政権はまさに水と油。
どちらを支持するか国内も混沌としているからだ
なんせ、イギリス海軍にはカタパルト作戦で戦艦3隻撃沈されたり手荒な扱いされている。
さすがにそれからは、イギリス軍らとの交戦はないが、遺恨があるのは仕方ない。
ドイツ側にも苦しい台所事情がある。
英米と少なくとも休戦した現在、北フランスからブレスト辺りまで、大陸反攻に備えて配置されている兵力は遊兵と化している。
東部戦線ではいくら、自由ウクライナができても、貴重な機甲師団やらはいくらあったって足りない。遊ばせておく訳にいかない。
またツーロン港に引きこもるフランス艦隊の処遇も微妙である。
以前無理やり接収する計画、リラ作戦が立案されたが、どう巧みにアクセスしようとも、自沈することを妨げられないために中止されていた。
(ただし、もし自由フランス側に逃走しようとする気配があれば機雷封鎖の用意はされていた)
かくしてドイツ軍は段階的にフランス駐留の部隊を「訓練」や「装備の更新」の名目で抽出し本国へ帰還休養した後に東部戦線に派遣するようにしていったのである。
ただし、こうしてフランスの沿岸ががら空きになれば、英米に妙な気持ちを起こさせないとも限らないので、当初は機甲師団に、限るなどしたが、サンクトペテルブルグに上陸作戦以降は根こそぎ、本土経由東部戦線に投入されるようになった。
防空関連の部隊もイギリス空軍爆撃隊がドイツ東部に進出するにいたってはもう、フランスに駐留する意義はなくなった。
英米との休戦は、ちょうどドイツにとって、内線作戦を実施する絶好の機会になったことが改めて 身に染みる、ドイツ参謀本部であった。
こうしてフランスからの「名誉ある撤退」が成立する条件が少しずつ整えられていくのであった。
難しい国です。
どうするのやら




