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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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Bー29発進

いよいよサンクトペテルブルグ基地からBー29発進である。

サンクトペテルブルグ近郊の航空基地はとんでもない騒音に満たされている。


各機4台のR3350エンジンからの騒音である。

発進に備え除雪されていた誘導路には順番にBー29が進入を開始する(>_<)。


今回は、この基地に展開した爆撃航空団の、全力での初舞台である。


夕暮れの空に向けて1機また1機と発進していく。

いかなる任務であるかは、この時点では外からは伺い知れないのである。


さて、同じころ、ソ連空軍の前線飛行場でのことである。


最近は米軍機あるいはドイツ機の偵察があるくらいで、本格的な空襲はまだない。

恐らくはまだレニングラードに建築中と言われている航空基地はさすがに稼働状態にないからだと言われて久しい。


鳴り物入りでレニングラードに殴り込んだ割には、だらしない話だと、前線の飛行場で待機している操縦士たちは気楽な話をしている。


彼らは以前に供与されたPー40を駆って戦場上空の防空任務につく連中である。

英米からの供与が先細りになってから一部部品の供給が厳しいとも言われてるが、もともとソ連製より品質が安定している機体であり、現状ではあまり不満はない。


とりあえず早期警戒 網も以前からの戦訓から強化されているから二度と空襲は食らわないだろう。


「、、、って我が部隊の政治将校ドノは言われてたのがとんでもない!


突然の空襲警報で、各掩堆壕から発進を開始した我々のPー40は突然の機銃掃射と小型爆弾による攻撃を受けた。


低空を駆け抜けた機体はどうやら、イギリス空軍のモスキートらしき陰や、最近出てきたPー82ツインムスタングらしい。


いくつかの機体は爆砕されたり機銃で穴だらけにされていく。

我々操縦士は手近な壕に飛び込むのがやっとである。


一部の対空火器は応戦しているが、多勢に無勢、機銃、爆弾、さらにはロケット弾が放たれ、潰されているようだ。

空からはなにやらアルミニウム箔が降ってくる。

イギリスではウィンドウとか言われてる、電波撹乱する代物である。


そしてさらに厄介な轟音が響く。

低空?なんだありゃ!


彼らからしたら初見参のBー29が低空飛行のまま爆撃進入してくるのだ。


爆弾倉が開くと、たくさんの小型爆弾が投下され、さらにそれが複数に分離しては落下してくる。


我々が元祖の「モロトフのパン籠」、と表現される集束爆弾である。


幸い我々の飛び込んだ壕はその爆弾の流れから少し逸れたから良かった。


この騒ぎの後、飛行場の各地区を復旧すべく我々は見回ったが、絶句である。


予備機体含め50機近くいた我が飛行場は、完全に「粉砕」されたと言っても過言ではなかった。


機体だけでなく、地上支援機材、や何よりも貴重な訓練された操縦士、整備員の損失もまた多い。


たった一撃で我が基地は軍の地図から抹消されるくらいの損害を受けたのである。


連空軍の損害はどうやら莫大なもんであり、この後の地上戦に大きく影響したのである。



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