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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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目標1時の方向、敵戦車、距離500対榴射てー!

キエフで日本陸軍が頑張ってます(^-^)。

ウクライナのキエフ近郊、小さな岡が、我々の前進陣地である。


反斜面陣地に入り、砲搭の一部のみ、偽装して出している。

今回は厄介だ。

昨日まで来たのは旧式なTー34ばかりだったが、今日は新型の大型砲塔付きだ。

避弾形始が考えられているから、下手な高速被帽付き徹甲弾も弾かれるかも。


車長用照準望遠鏡に映る敵の自慢の新型戦車はそれ位禍々しく映るものだ。


情報資料では、まだ彼らの照準機材は、古いスタジアメトリック方式、予め高さがわかっているものがどの位に見えるか?で距離を判別する仕組みだから、高さがつかみにくい、とこちらに有利だ。


照準眼鏡にいっぱい映る敵に向かい、引き金を引く。

ゴーっと言う音を聞いて、弾が走っていく。


「命中。」

「よし、陣地変換」「予備陣地5番に移動します。」

後進をかけて、陣地を移るわが車両は人によれば「娘の晴れ着をきたおばさん」 とまで言われた代物である。


車体はあの懐かしい「チハ車」つまり97式中戦車 である。ところが、あの短い砲身を着けた砲搭はない。


昇降式の砲架が何とか搭載されて、その上部に 連装にしたM20、75ミリ無反動砲がつけられているのである。


実は当初国産の試製81ミリ無反動砲を搭載する予定だったが、有効射程が短いため、急遽、北アフリカ方面で手に入ったアメリカ製M20を積み込んだのだ。

まだ制式名はない、でっち上げ兵器であるが、旧式化極まりない戦車車体を活用した自走砲である。

さて、どうしてこんな代物がキエフ近郊にあるかと言えば、「第2特務艦隊」が活躍始めたことにある。


国内から、「陸軍はどうした?」という声が上がり始めたことから、技術研究本部の様々な試作品が 支援要員を含めた1個大隊にまとめられてはるばる、第2特務艦隊向けの補給船に紛れてシンガポール、ラングーン、カルカッタ、ボンベイ、スエズ、さらに黒海を通ってオデッサにやっとこさ上陸、さらにソ連のでっかい広軌の貨車に運ばれた結果である。


これは技術研究本部が「試作品を試したい」気持ちの現れでもあるが、実は当時の一般の日本陸軍部隊は、まだまだ、機械化率も低い、火力は少ない、とかで、1945年ごろの世界水準からずいぶん遅れていたのである。

投入したくても、できないのが実態だったのである。

なんせ、3式中戦車 が砲搭リングの加工がネックになり製造が進まないことがあるなどが現実に起きていたのだ。


ヨーロッパの戦場に出せる水準の部隊は、技術研究本部の試験部隊程度だったのである。


具体的には3式中戦車以降の戦車、対戦車自走砲、歩兵用火器にしても国産自動小銃、やら評価中の装備がやっとこさ、他国と肩を並べられるレベルだったのである。


かくして、キエフの前線の一角に、日本陸軍が占める陣地ができることになったのである。




さあどうなるやら

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