「黒海の通り魔」
地中海に進出した利根て筑摩は新たな機体を搭載します
第二特務艦隊は、先の戦争では純粋な護衛任務のみについていたが、今回航空機運用に適した利根級が派遣されたことから、積極的に航空機の運用を意図した。
当初は従来の偵察以外に、零式三座水偵を武装して、攻撃任務に当てていたが、搭載力、速度などで不満があったため、伊号400などに搭載されている晴嵐特殊攻撃機を試験的に運用してみた。
(本来、伊号400などに補充用に送られる途中の機体をアレクサンドリアで発見し、搭載艦がドック入りの際に借用して返還する「約束」で押さえたのである)
雷撃装備のときはさすがに重量が重く燃料を調整する必要があったが、爆弾装備でも、零式より高速な点が評価された。
このため、「借用」した機体は利根と筑摩に搭載してしまった。
幸い、伊号は当面搭載予定が変更に(事情は後述)なったことから、艦隊司令部に掛け合い、強引にもぎ取ったのであった(^-^)!
利根と筑摩がこの機体を偵察と攻撃に使いこなすようになる とたちまち黒海海上は晴嵐の草刈り場と化したのである。
黒海沿岸なら、ソ連の戦闘機も飛行しているが、航続距離をあまり重視していないため、はるか洋上を哨戒飛行することはほとんどないのである。
戦闘機の脅威のない空域では機動力のある晴嵐は、輸送船はおろか、駆逐艦程度の艦艇も戦果に加えるのであった。
また偵察のときも、浮上中の潜水艦を発見、駆逐艦を誘導、撃破する戦果をあげている。
かくして晴嵐は鳥なき里のこうもりのごとき活躍をするのであった。
これに対してソ連側では「黒海の通り魔」として嫌がられていく。
さあどうなるやら




