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イギリス海軍の疫病神  作者: 通りすがりの野良猫
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サンクトペテルブルグ郊外にて

サンクトペテルブルグ郊外で建設中の飛行場にて

広大としかいいようのない寒い寒いソ連のサンクトペテルブルグの郊外で、大規模な土木工事が行われていた。


主のいない広大な元農地?は絶好の飛行場建設場所であった。

米軍の大型トレーラーは当時の日本には珍しい機械であるブルトーザーを運び入れて、滑走路など形作って行く。


周辺では、平行して90ミリM2高射砲やSCRー584レーダーなどの最新の防空兵器が配置されようとしている。

こんな場末の飛行場を守るだけならなかなか配備されないような代物である。


また興味深いのは、雪をかき分けながらの突貫作業を行っている滑走路の長さである。

なんと、2000メートルである。

当時日本なら1200メートルで十分とされた滑走路がである。


また、滑走路自体も、いつものマーストンマット、穴空き鉄板を組み合わせた急造のものでない、きちんとした滑走路を作っているようである。


まもなく、長く整備された滑走路がここにできる。


これを見ていた、現場近くにいた人物は雪深い道を歩いて、停めてあるジープを出させて、近くの現場事務所になっているかまぼこ兵舎に向かって行く。


事務所前に止まったジープはいかつい装甲がついたジープであったが、警戒中のアメリカ兵にしたら、見慣れた車両であり、ついフロントガラスにあるプレートを見逃してしまい、後から死ぬほど冷や汗をかかされることになる。


「どうした?こんな天気は戦争は休みだぜ!」

誰何もいい加減にしていた歩哨に、声を掛けられた人物が雷を落とした。


「馬鹿野郎!てめえの戦争は休みだろうが、ワシのコミィ相手の戦争は休みはない!」

びっくりした歩哨がよく見ると、相手のヘルメットには2つの星。

腰には特製のコルト。

そう、サンクトペテルブルグに上陸している、アメリカ陸軍の2つ星の偉いさん は、彼しかいない。

そう、この間抜けな歩哨は、あの有名なパットン将軍と言う、有名な虎の尾を踏んづけるという「快挙」を成し遂げたのである(>_<)。


事務所に入った将軍は、「警戒がなっとらん!」と事務所でのんびりしていた少尉を震え上がらせ、連絡を受けた上官にもお灸を据えて、また次の場所の視察に向かうべく、事務所をあとにした。


そして出るときに、顔面蒼白な兵士を前にして、この有名な将軍はニヤリと笑い、「それほど暇なら、俺の近くにおいてコキ使ってやる(^-^)」


この一言で彼は、アメリカ第3軍司令部で一番忙しい兵卒として有名になるのであった。


ただし後日、彼は第3軍で最もパットン将軍と親しく接することになり、後年回想録を書いたり、将軍を描いた映画のアドバイザーになったりしたのである。




はい、現場の兵士からしたら、はるか雲の上の方がいきなり来たりすると本当にビビります。

これはいきなりアメリカ軍の2つ星の方に遭遇した自分の経験からも言えます(>_<)

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