改名したサンクトペテルブルグにて
いち早く現地に進出したBBC放送は、対ソ連向け放送を開始
「こちらはBBC放送です。今日、レニングラードはあの忌まわしいレーニンの名前の軛から解放され、かってのサンクトペテルブルグに戻りました。
ソ連軍は降伏し、代わって新たに自由主義を標榜し、西側と同じ政治の仕組みを持つ政権の樹立が進められているところです。
ソ連軍は降伏し、共産主義の勝利を主張するモニュメントは破壊される予定ですまた封鎖中、不足していた食料や他の物資も英米及び休戦なった独軍の手でたくさんの民衆や負傷した兵士、その他救いを求める人たちに配られています。
長い間、ソ連の支配下にあり、ドイツとの戦争にも、苦しんだ人たちは、戦争からも解放され今は和睦なったドイツや我が国、そしてアメリカからの支援で立ち直ろうとしています。まだソ連の軛に苦しむ皆さんも、解放は間近です。
スターリン一派の政権は二回の大反撃にも失敗し、断末魔の様相です。
国内どころか、国際信義も踏みにじり、支援を受けていた我が国やアメリカも裏切り自分たちの利益の追求に走っていた彼らに相応しい末路はまもなくです。
解放されたサンクトペテルブルグからの中継でした」
かまぼこ兵舎を利用した「BBC放送臨時サンクトペテルブルグ支局」では、対ソ連の宣伝放送が終わったところである。
「はい、お疲れ様でした」
「なんか愛国的口調の宣伝的な放送って、やるほうも疲れるな」
「こちらは完璧な正義、あちらは悪逆なスターリン一派、こんな単純明快な話あるわけないですから。
だいたいどこの国もよく言いますが「解放にきた」といいながら頭上から爆弾ばらまくのは、どうなんでしょうね?
状況が状況だから仕方ないのはわかるけど、猛毒を持って毒を制す感じですな。」
「私はしがない原稿読みですが、プロデューサーがそれいっちゃ仕舞いですよ?(^-^)」
「ドイツが我が国占領してたらゲッペルスに首にされたかもな♪」
「お互いヤバかったかもね(^-^)」
寒いサンクトペテルブルグでの「心暖まる」宣伝放送の舞台裏であった。
こんな感じでしょうかね?




