ビスマルクは?
ビスマルクも休んでばかりもいられない。レニングラード強襲作戦の打ち合わせや準備で日々多忙であります。
この話の中心であるビスマルクもレニングラード強襲作戦に一枚噛むことになっている。
ビスマルクは前衛艦隊の主隊の旗艦として、掃海隊の後をついて、前進し沿岸砲台をアウトレンジして「地ならし」するのである。
そのために浮遊機雷等に対する応急訓練はいやになるほど実施されている。
ドイツの主力艦のダメージコントロールは先の大戦で半ば伝説となっている。先達の名を汚せないのである。
「レニングラードはうちの兄貴が苦労してるんだ。やっと楽にしてやれるよ。」 砲術士が言うのも納得である。
以前、レニングラード攻略に投入された火器はせいぜい、野戦重砲の210ミリあたりが限界である。
その倍近い火器を備えた艦艇が多数投入されるのである。
ビスマルク、ティルピッツさらに、イギリスからウオースパイト、ネルソン、アメリカからは、コロラドがやって来ている。
任務が「沿岸砲台をアウトレンジして準備砲撃」だから、火力が重視されるために、すべての艦艇が15インチ以上の主砲をもっている。
興味深いのは、ビスマルクが40センチ砲なもんで、他国もそれと同等の艦を持ってきたことか。
揚陸艦艇は彼らの仕事が無事に済んでから投入される予定である。
さて作戦の打ち合わせの際に、ビスマルクに座乗のドイツ大西洋艦隊司令部は、 ウオースパイト、ネルソンを率いてきたH部隊の司令部と対面した。
そのときの、空気は当初誠に「殺伐」としたものであったと伝わっている。
そりゃそうだろう、ウオースパイトをぼこぼこにして、はるばるアメリカでの大修理をさせた張本人たちが目の前にいるからた。
打ち合わせの後、見かねたビスマルクの艦長が自艦の航海日誌を持ってこさせ、ウオースパイトの射撃がいかにビスマルクを苦しめたか説明するに至りようやく、船乗り同士の会話が弾みだし、さらにドイツ側から英米の司令部をビアガーデンに誘ってからは無礼講、お国自慢大会の始まりである。
このような付き合いがあちこちで見られるようになり、後々の北大西洋条約機構、NATO設立の気運を高めていくのであった。
さてレニングラート強襲作戦、そろそろ煮詰まりつつあります




