第二次バグラチオン作戦発動しようとしたが
第二次バグラチオン作戦が発動前夜であるが、イギリス空軍の夜間攻撃が開始されてしまった
ソ連軍の最高司令部スタフカは、第二次バグラチオン作戦を発動して、一気に戦勢を回復しようとしたが、彼らはドイツ軍の背後にいた英米軍を舐めていたのだ。
先のバグラチオン作戦でドイツ空軍に機先を制された戦訓を無視して、今回も同様に先制奇襲されるはめになったのだが、今回は攻勢前夜にイギリスのボマーコマンドが得意の夜間攻撃で飛行場や砲兵陣地をまとめて片付けてしまったのである。
東部戦線の前線での夜間航空戦は西部戦線のような組織だったものでなく、レーダーも十分装備されていないのは、前回と比べてもあまり改善されていなかった。
むしろイギリスなどから部品が入らなくなった分、稼働率が低下していて、夜間防空網はさらに穴だらけと言えた。
また攻撃力がドイツ空軍と桁違いなのも、計算違いであった。
対空防護などないような場所に展開していた152ミリ榴弾砲や203ミリ榴弾砲などが大型の「ブロックバスター」でぶっ飛ばされたり、飛行場も多数の焼夷弾をばらまかれ、ヤク戦闘機を焼く、などの目にあってしまったのである。
このため、攻撃開始時には予定の航空攻撃は不可能、砲兵火力は5分の1程度までに低下していた。
さらに後方への爆撃で、十分な燃料が届かないのは、前線の戦車部隊には致命的な結果をもたらした。
厄介なのは、この時点でドイツ空軍の対地攻撃が開始されたことである。前回は航空撃滅戦と前線での近接航空支援をあわせて行ったのが、近接航空支援に全力を投入できる体制にあったのだ。
しかも、英米軍から無尽蔵に思える位の補給を得て、攻撃を反復できるため、戦果をあげることに成功したのだ。
こうなると、旧式になったと言われて久しいスツーカも地上掃射や対戦車攻撃に猛威を振るうし、ヘンシェルの攻撃機も、大口径の対戦車砲で空からJSー2を撃破していったりする。
前進を開始したソ連軍の各方面軍とも、急速に戦力を失い、また第二次バグラチオン作戦も失敗に終わる。
さらに厄介なのは、ここにきてレニングラードの攻略戦が始まってしまったことである。
それも陸からではなく海から。
次の章で詳しく述べるとする。
ソ連軍得意な縦深攻撃も、攻撃準備段階で必要な火力を破砕されてしまえば終わりです




