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殺人の救世主  作者: おじさん
とある殺人鬼と少女の話
9/102

1-8

あの村から出てもうそろそろ半日が経とうとしている。


青空であった空は、段々と赤く染まり夜が近づいてきているのが分かる。


夜は危険だ。闇に乗じて襲ってくる輩なんてこの時代じゃ珍しくない。


まぁ、それはあくまで『一般人』にとっての話であるが。


「ねぇ、陽。今日は、野宿?」


「そうなっちゃうな。宿泊まれるわけないし」


俺が、俺がお尋ね者でさえなければ…!!


「ん。…じゃあ、一緒に、…寝よ?」


…ちょーっと、気を許し過ぎじゃありませんかねぇ…。


いや、嬉しいよ?今すぐにでも添い寝したいくらい。


でも、少し心配になるのも事実。


この娘は、微塵も俺のことを警戒してないし疑うことをしてない。


「んー、嬉しいが流石に二人で寝るのは…な。怖くないのか?」


「?? どうして、怖いの?」


「どうして、って…。寝込みを襲われるとか考えないのか?」


俺の問いかけに、夏生はただただ首を傾げ不思議そうな顔をした。


その目には俺への警戒心、猜疑心、…それが一切感じられなかった。


どうして、さっき会った人間…しかも殺人鬼をこんなに『信用』できるんだ。


助けられたからの一言じゃ、全く納得できなかった。


「あなたに、殺されるなら仕方ないし、…もし、殺されるならあなたに殺されたい。…これじゃ、理由不足?」


…唖然とした。もう、これ以上ないくらいに。


信用とか、疑うとかもうそんな範疇の話じゃない。


この娘は会ってまだ1日と経たない俺に対して『絶対的な信頼』をおいてるのか。


「…いや、理由としちゃ十分だ。怖いくらいにな」


だが、その答えは嫌いじゃない。


俺と行動を共にするならそれくらいじゃないとな…。

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