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殺人の救世主  作者: おじさん
とある殺人鬼が生まれた理由と少女の話
77/102

3-3

秀吉さんの発言に陽は、横を向き申し訳無さそうにしている。


…まさか、陽が織田信長の息子だったなんて…。


でも一つだけ疑問がある。


「…織田、信長って…誰?」


初対面の時から表情を全く崩さなかった秀吉さんが、驚愕の表情を浮かべる。


それは陽も例外でなく、心底驚いたような顔で私を見る。


「…この娘何者ですか…? まさか信長様知らないなんて…」


「そういや教えたこと無かったな…。日本一有名な人物なんだが…」


もしかして、陽が時々言ってた『あいつ』とか『あのゴミカス』の人が織田信長って人なのかな。


「信長様はですね、初めてこの国を統一した人です。言ってしまえばこの国の頂点ですよ」


…あぁ、そういえば陽から『天下統一』を果たした家の話を聞いたっけ。


その頂点に立つ人が織田信長って人なのか。だから陽は詳しかったのか。


「…偉い人…なんだ。その息子さんが、陽…?」


「えぇ。信長様の四番目の息子が信蔵様になります」


薄々感じてはいたが、陽はやっぱり武家の人だった。


あの綺麗な服は、当時着ていた物だったのだろう。


「…すまん、夏生。何も話してなくて…」


「…?? どうして、謝るの…?」


私にはどうして陽が謝るのか分からなかった。


陽は前に言っていた。話したくない、思い出したくない過去があるものだと。


私も、それが嫌というほど分かる。


「別に陽が誰の息子とか、関係無いの。私にとって、陽は陽なんだから…」


思っていることを真摯に告げる。


今更陽がどんな人、どんな生まれだったとか私には知ったこっちゃない。


私は、純粋に陽の側にいたいだけだから。


過去がどうであれ、私は今の陽が大好きなのだから。


「…こんないいお嬢さん連れてるなど羨ましいこと限りないですよ、信蔵様」


「…あぁ。俺も今初めて神に感謝してる。無信教なのに」


天を仰いで、染々と語る陽の声はいつも通りに戻っていた。


「ありがとな、夏生…」


「どういたし、まして…」


笑顔でお礼なんて言われたら、自然と顔が赤くなってしまう。


陽の笑顔は反則級だと思いました。

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