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殺人の救世主  作者: おじさん
とある少女と殺人鬼の話
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2-35

後は…そうだな。何か必要な物あるかな…。


周りの人間を見て、俺達に足りないものを探す。


そして足元を見て俺は気付いた。


「あっ、草履買ってないわ。俺がいつも裸足だったから気付かなかったな」


夏生も俺もずっと裸足で歩いてきたのだった。


正直もう慣れてるので痛いとか汚いとか全く思わないのだが。


それは夏生も一緒らしく、自分が裸足であることに何も疑問を感じていない。


だが、どうせここに来たのだから買ってしまおう。


もう買う機会も無いかもしれないしな。


「ぞうりって、何…?」


「足に履くものだ。小石とか踏んでも痛くないんだぞ」


「???」


いやー、俺としたことがうっかりしていたわ。


昔履いてたのが壊れて以来履いてなかったからな。


取り敢えず自分の分と夏生の分の二つを購入する。


俺のは黒で夏生のは青にしておいた。


何となく赤だと縁起が悪い気がした。本当何となくなんだけど。


「夏生、足出して」


未だによく分かっていなさそうな夏生だが、素直に右足を前に出す。


夏生の小さな足に、それより少し大きい草履を履かせる。


「…足が、地面に触れない…?」


「おう。最初はちょっと歩きにくいかもしれないが頑張ってくれ」


「…ん。…違和感はあるけど、痛くない…」


右足に履かせられたのを見て覚えたのか、左足は自分で履いてみせた。


親指と人差し指の間に鼻緒があるのに少し違和感があるらしいが、多分それもすぐに慣れるはずだ。


「んー、やっぱり違うな。歩きやすさが段違いだ」


草履を見ると昔を思い出す。色々面白い話がたくさんあったなと。


初めて草履を履いた時、俺も夏生と同じ事を思ったのを思い出した。


「さて必要なものは揃ったし、目的地に向かうとするか」


「ん、分かった…」


夏生と腕を組み直し、今度は真っ直ぐに目的地へと向かう。


隣で楽しそうに笑っている夏生を見て、俺も少し笑う。


どうせなら、楽しんでいこうか…。

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