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後は…そうだな。何か必要な物あるかな…。
周りの人間を見て、俺達に足りないものを探す。
そして足元を見て俺は気付いた。
「あっ、草履買ってないわ。俺がいつも裸足だったから気付かなかったな」
夏生も俺もずっと裸足で歩いてきたのだった。
正直もう慣れてるので痛いとか汚いとか全く思わないのだが。
それは夏生も一緒らしく、自分が裸足であることに何も疑問を感じていない。
だが、どうせここに来たのだから買ってしまおう。
もう買う機会も無いかもしれないしな。
「ぞうりって、何…?」
「足に履くものだ。小石とか踏んでも痛くないんだぞ」
「???」
いやー、俺としたことがうっかりしていたわ。
昔履いてたのが壊れて以来履いてなかったからな。
取り敢えず自分の分と夏生の分の二つを購入する。
俺のは黒で夏生のは青にしておいた。
何となく赤だと縁起が悪い気がした。本当何となくなんだけど。
「夏生、足出して」
未だによく分かっていなさそうな夏生だが、素直に右足を前に出す。
夏生の小さな足に、それより少し大きい草履を履かせる。
「…足が、地面に触れない…?」
「おう。最初はちょっと歩きにくいかもしれないが頑張ってくれ」
「…ん。…違和感はあるけど、痛くない…」
右足に履かせられたのを見て覚えたのか、左足は自分で履いてみせた。
親指と人差し指の間に鼻緒があるのに少し違和感があるらしいが、多分それもすぐに慣れるはずだ。
「んー、やっぱり違うな。歩きやすさが段違いだ」
草履を見ると昔を思い出す。色々面白い話がたくさんあったなと。
初めて草履を履いた時、俺も夏生と同じ事を思ったのを思い出した。
「さて必要なものは揃ったし、目的地に向かうとするか」
「ん、分かった…」
夏生と腕を組み直し、今度は真っ直ぐに目的地へと向かう。
隣で楽しそうに笑っている夏生を見て、俺も少し笑う。
どうせなら、楽しんでいこうか…。




