2-29
まずは基本的なことからだな…。持ち方から教えないと。
取り敢えず手本として俺が構えているのを見せてみる。
人によって握り方は人それぞれだが、今回は俺のを模倣してもらおう。
その後に夏生に合うものを探したらいい。
「あー、夏生は右利きか? それとも左利き?」
「…よく分からないけど、持ちやすいのは、こっち…」
刀の持ち手というのは大体利き手が上にくる。
左手が上にきているということは夏生は左利きか。結構珍しいな。
普段俺は右手が上なのだが、実は両利きなのですぐに左利き用に持ちかえる。
「おー、結構様になってるな」
「…陽のこと、ずっと見てたから…」
なるほど、俺が刀を構えていたのを見ていたのか。時々俺も鍛練してたからな。
初めて構えを取るにしては、ちゃんとした型になっていた。
足の開き方なんかもまだ教えていないのにほぼ理想的だ。
握っているのが木の棒でなければ、ちゃんとした剣士に見える。
「で、振り方なんだけど…。これは俺の我流になっちゃうけどいいか?」
「ん。陽の格好いいから、それがいい…」
毎回毎回嬉しいこと言ってくるよね、この娘は。将来男を天然で落としていきそうだ。
とはいえ俺がいつもやってるのは言葉で言うのはちょっと難しい。
そもそも、夏生に剣筋が見えるかどうかも微妙だし…。
「取り敢えず手本な。ほいっ」
まず縦に一太刀。そして間髪入れずに『片手』で横に薙ぎ払う。
すぐに両手に持ち換えて、今度は突き。この時、少し刃先を横にずらすのが重要だ。
そしてそのまま下に刀を降り下ろす。
「…基本はこんな感じだな。多対一とかだとまた変わるんだけど…」
「…速すぎて見えなかったです、ししょー…」
ですよねー。ごめんなさい。もっとゆっくりやります。




