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殺人の救世主  作者: おじさん
とある少女と殺人鬼の話
62/102

2-24

その場にいた全員が陽のその行動に驚く。私も例外ではなかった。


今まで陽がこんな笑い声を上げたことがあっただろうか。


未だに笑い声は途切れない。狂ったように笑い続ける彼に、私を除く全員が怯んでいる。


「はははははは!!! 面白い!! 面白いよ、お前ら!!」


この状況を面白いと言っている彼の顔は本当に楽しそうだった。


それこそ、…昨日遊んだ時とかと比べ物にならないほど。


「な…、何故この状況で笑っていられるんだ…!?」


私を殺そうとしている本城さんすら、疑問を隠しきれない。


当然だ、私だって分からないのだから。


今にも殺されてもおかしくない。そんな状況で笑える人間なんて普通じゃない。


「あの役人に困ってたのは本当のことだろ? それは分かってた。だからこそ、俺はお前らの依頼に乗った」


笑顔のまま陽は話し始める。こんなに楽しそうに喋る陽は初めて見た気がする。


「裏に目的があるのも分かっていたよ。多分俺を殺そうとしていたこともな。俺はお前らを返り討ちにする予定だった」


だからこそ、陽は嫌気が差していたのか。自分が狙われていたことに気付いていたから。


そういいえば、本城さんはあの時…


「『私達』は外で待っていますので…」


あの場には本城さんしかいなかったはずなのに。それに彼は気付いていた。


だからこそ、彼は私をあの場に『残さなかった』。


「夏生を人質にされまいと連れてきたが…まさか火縄銃なんて貴重なもの持ってるなんてな。予想外だったよ…!!」


また楽しそうに笑い始める。陽にとっての予想外。それがあったからこそ、私は今捕まっている。


「この俺が出し抜かれるなんてな…!! なかなかいい経験をさせてもらったよ…! お前らは邪魔な役人を自分達の手を使わずに排除できる。そして、大義名分の下、殺人鬼である俺を殺せば俺の首にかけられた金も手に入る…。実に合理的な作戦だ。面白い!!」


素直に称賛している陽を見て、私は確信する。


…やっぱり陽はただの人殺しじゃない、と…。

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