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殺人の救世主  作者: おじさん
とある少女と殺人鬼の話
50/102

2-12

「何の、用…ですか?」


遊びが中断されてご立腹な様子の夏生が俺の代わりに問い掛ける。


まさか夏生の方から問い掛けられるとは思ってなかったらしく、少々面を食らっていたがすぐに返答にはいる。


「…ある人物を、殺していただきたいのです」


神妙な面持ちで告げられた言葉は、俺に人を殺せという内容のものだった。


まぁ、大体予想はついてたけどまさか『依頼』される日が来るとは思っちゃいなかった。


断る理由は正直ない。合法的に人を殺せるのだから。


「却下。殺しは人に頼まれてするものじゃない」


だが、全く面白くない。


俺は俺の殺りたいときに殺る。殺しってのはそういうもんだ。


「…ダメ、ですか…」


「陽、話だけでも、聞いてあげたら…?」


あからさまに落胆する本…なんだっけな、覚えてないから男でいいや。


男を見て少し同情を見せる夏生。夏生に言われたなら仕方ないな。今回だけだよ?


ため息を吐き、目だけで話せと伝える。


少し嬉しそうになった男は、語り始めた。


「あ、ありがとうございます! ここの近くに村があるんです。私はその村の住民で、あることに困っているのです」


「あることって、何…?」


俺が聞きたいことを的確に質問してくれる、夏生はとても優秀です。


「その村を仕切っている、役人が問題なのです。3年前、その役人が来てから村は困窮の限りを尽くしています。その役人は、『あの』家の人間なので誰も逆らえなくて…」


なるほどなるほど。そりゃ逆らえないわ。


逆らったら村ごと潰されかねない。それぐらいのことは容易にするだろうね、『あそこ』の家は。


「…言いたいことはよく分かった。要するにその役人を殺人鬼である俺に殺してもらえば解決すると…」


「…はい。身勝手なお願いだというのは分かっています。どうか、この願い聞き入れてはもらえないですか…?」


夏生が顔をこちらに向け、どうするの?と聞いてきた。


うん、凄く断り辛いね。聞かなきゃ良かったわ。

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