あらすじ(詳細)
──俺は、地元を離れて別の県の高校に進んだというのに、今もあの出来事に囚われている。
『──、─────』
──あの日、あの人は、何かを言い残して忽然と消え去った。
──三人一緒にいて、中の良かった幼馴染も、よく話していた両親も、最初からいなかったように忘れた。
──ああ、あの人は一体何を言い残したんだろう...
「ちょっと!!聞いてるの!?」
◆//\\=//\\=//\\◆
「...ん、何だよ?」
「あー、やっと起きた!もうすぐトンネル入るってのにいつまでも寝てるなんて!」
寝ていた俺の耳元で説教かましているこいつは、幼馴染の不留谷 幸。
ボーイッシュでフレンドリーだから学校の男子の中で人気がある。
昔は俺もこいつとは仲が良かった。
...あの出来事から、今は避けている。
「トンネル入るのと俺を起こすのに何か関連があるのか?」
とりあえず耳元で大声を出されたことへの抗議代わりに質問を投げかける。
...まじで何で起こされたんだ俺?
「覚えてないの!?このトンネル抜けてすぐのサービスエリアが最後のトイレ休憩だっ──」
その時、衝撃が走る。
──メリメリ...ガガァン!!
そして直後に訪れる浮遊感。
地面が崩落したと気づき、咄嗟に近くの幸とバスのラックを掴む。
しかし勢いを消しきれずラックから指が離れ、
──ガンッ!
頭を天井に強打した。
そして意識が薄れていく──
◆//\\=//\\=//\\◆
・・・a・・・ッ・・・?
s・・・@・・・・・・・・・£?
「...ぁ?」
聞き慣れない声が聞こえる。
...救助隊か?
にしては言葉に聞き馴染みがなさすぎる。
どう聞いても日本語に聞こえない。
「◎△$♪×¥●&%#?!」
「○!※□◇#△!」
次はもっとはっきりと聞こえた。
...やっぱり何を言っているのかわからない。
周りの景色を見てみよう。
そうすればどこかくらいはわかるはず──
「は?」
──どこだ、ここは?
「l◎*&$€>』※々!」
「〒〆\]$£※」
「@#%f^*¥〆?」
今、俺は、コロッセオに似た建物の舞台上に寝転がっていた。
周りにはクラスのみんなもいる。
《《それはいい》》。
いやよくはないが、それがどうでも良くなる光景が広がっていた。
「「「「gaaaaaaa!!」」」」
《《竜がいた》》。
トカゲのような体に一対の羽、紛れもない竜が4匹?頭?羽?でカゴのような物を引っ張りながら空を舞っていた。
こんな状況のせいで隣で呑気な寝顔を晒す幼馴染に安堵さえ覚える。
...このまま狸寝入りしていても何も分からない。
今起きたように見せてボディランゲージとかでなんとか説明を求められればと考えて体を起こす。
直後、空は晴天のはずなのに寝ている何人かに小規模な雷が落ちた。
「「「アダっ!?」」」
隣の幼馴染を含む何人かは痛みに今やっと起きたらしい。
俺のこと叩き起こしたくせに。
...後の奴らは雷が落ちてないから狸寝入りをしていたらしい。
「あっ、なっくん...?今これどうなって...ええっ!?ドラゴン!?」
幸が空の竜を見て驚いていた。
他の奴らからも似たような声が聞こえる。
この異常な状況に気付き始めたらしい。
クラスのみんながパニクっている中、馴染み深い日本語が耳に入る。
『初めまして、異界のみなさま。貴方たちはこの異世界、“ホプレス”へと召喚されました。』
異界?
異国じゃなくてか?
...まぁコロッセオがあるのに言語がイタリア語じゃない時点で薄々思ってはいた。
「異界?召喚?...ってことは僕たち、異世界召喚されたってこと!?」
ファンタジー物が大好きな奴らが興奮して騒ぎ立て始めた。
...確かに興奮するのも無理はない。
男子なら誰しも憧れる状況だろうしな。
それはかくいう俺もだ。
だって、“あの人”を探す手掛かりがあるかもしれない。
あの人も、目の前で急に消えた。
今俺たちはこの異世界らしき所にいる。
それなら、向こうでは“急に消えた”ということになるはず。
同じような状況だ。
何年も手掛かりもないまま探し続けたんだ。
手掛かりが見つかれば興奮もする。
だが、そんな興奮は、次の言葉で粉々にされた。
『突然ですが、貴方たちには、この場の民の娯楽として、与えられた“スキル”のみでダンジョンを攻略していただきます。もちろん、死の危険もありますよ?』
──◆──/\──◆──
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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