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天国へ贈るコイン  作者: 西松清一郎
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2-1

 署用車の無線機が、当て逃げや傷害など不穏な事案をがなり立てているが、ハンドルを握る成沢の表情はぴくりともしない。一課の刑事と共に行動するのは、刑事課に配属されて間もなく、建設会社社長刺殺事件の特捜本部に参加して以来である。当時、多くの刑事が怨恨の線を捨てずにいる中、成沢だけは衝動的事件と断定し、遺留品の分析と聞き込みだけで見事に犯人を割り出した。知世はその敏腕ぶりを話題にしようとしたが、余計な世辞を警部が好むとも思えず、やめにした。


「自販機からは見つかったか」

 知世はこの言葉で、いつまでもドライブ気分ではいれないことに気付いた。成沢との共同捜査の打診を受けてから非番をはさみ、もう週明けの朝なのである。


「いえ、自販機からあの五百円玉が出て来た、という報告はまだありません」

 続いて知世は内ポケットから素早い手つきで、資料のプリントアウトとメモ書きを取り出す。「あれから純金色の五百円玉の発見者、黒内あかねさんとも連絡が取れました。美術家、鎧塚千鶴子さんの顔写真を確認してもらったところ、介護タクシーから出てきて小銭をばらまいてしまった女性はその人で間違いない、とのことです」


「あの妙な硬貨を、その美術家が保持していたことは確実だろうか」

「いえ、そこまではまだ確認できていません。ただ、小銭が散らばる前、すでにあの純金色の硬貨が路上に落ちていたとは考えにくい、とも話していました」

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