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「おい、おまえ……だいじょうぶかよ!」
駆け寄って抱き起こそうとすると、
バキバキに割れたヨロイの破片がパラパラ地面にこぼれ落ち。
体は異様に軽かった。
(キレーなのは首から上だけか……)
辛うじて息はあるものの、
残念ながら、もうダメらしい。
瀕死になった青騎士は、わずかに開いた青い瞳でおれの姿を捉えると、
最後の気力で口を開け、なにかを伝えようとしてきた。
だが、言葉は「ヒューヒュー……」と、
か細い吐息になってかすれた。
「なんだよ、なにが言いてぇんだよ……」
口元に耳を近づけて、しばらく待ってやるとポツリと。
「……バラを」
——ボクの薔薇を。
「……ああ、わかったよ」
まったく、最後の最後まで。
こだわりだらけの困ったやつだ。
おれは辺りを見回して、やつの周りに派手に散らばる「真紅のバラ」の花の中から、できるだけキレ—なものを選び、顔のそばに持ってきてやった。
「ほら、泣くなよ色男。なに? なんだよ『ありがとう』? うるせえ、礼はいらねえよ……」
言葉をすっかり失いながら、ブルー・シュバリエはなおもなにかを伝えたがってもがいたが、最後に激しく咳き込んで、それからぴたりと静かになった。
哀れだが、仕方ねえ……。
(戦いに負けたヒーローなんて、最後はみんな、こんなもんだよ……)
「……すまねえ、飛鳥。先を急ぐぞ」
付近には、チャン・ドラゴンの死体もあった。
首まですっぽり瓦礫の埋まり、
一瞬、ふざけてるのかと思ってよく見たらやっぱり死体だった。
(口の形から察するに、たぶん最後の言葉は『アチョー!』だ)
——それにしても。
妙な話だ。
世界最強と名高いメンツがこうも簡単にやられるなんて。
(『敵』はいったい、何者なんだ……?)




