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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
1.ヒーローなんてしたくねぇ
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1-4


「あっ、お客さまですわ!」


ぱたぱた駆けだして行ったベルが、じきにリビングに連れてきたのは、


眉間にふかいシワを刻んだ、おれと同い年の男だった。


背丈は高く、やや細身。

春物の黒のロングコートが、ダブルのスーツによく合っている。



「まったくここは、いつきても……」


——ひどいな、まるでゴミめだ。


口はわるいが悪意はない。

こいつはそういう性格なのだ。


おれは冗談に冗談で返した。


「なんだよミツル。ヒマしてんのか?」


「ああ、おまえほどじゃないけどな」


大八木充オーヤギミツルはおれの親友、いわゆる「幼なじみ」ってやつだ。


ちいさい頃からエリートコース、警視「省」に勤めだしてからも、とんとん拍子で出世を続け、いまや身分は立派な警視。(おまけに美人の嫁がいやがる)


おれなんかと比べられた日には、


「月とすっぽん」、「クソと黄金」。


——ふたり隣に並べてみたら、あなたの顔が「ギャグ」に見えるわ。


桜千夜サクラチヨとかいう「ちびでぶ」は、かつておれにそんなことを言った。


「羊一さまはヒマじゃないですわ! 毎日パチンコに行ってますわ!」


ベルはけなげに抗議して、おれの立場をよりわるくした。


「へへへ、まぁ、『息抜き』だよ……」


「時間がない。手短に言うぞ」


未来の警視総監さまは、そーゆー茶番が嫌いなようで。

未来永劫無職のおれに、命令口調できびしく言った。



——シープマン、つぎの任務だ。




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