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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
1.ヒーローなんてしたくねぇ
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1-5


「……やだね。乗《ノ》り気じゃねーんだよ」


シープマンはこの「おれ」だから、おれは即座に却下した。


「どーせ、いつもの『タダ働き』だ。正義で腹が膨れるか、ん?」


安い挑発かもしれないが、問題はかなり切実だった。



ヒーロー稼業は儲からない。


現にこの前の捕物帖——

さっきニュースで流されていた、「ヤクザ共とのドンパチ」だって、

結局「機密」扱いにされ、ビタ一文ももらえなかった。


つまりはただのボランティア。

ボランティアなんておれはゴメンだ。


「あのなぁ、充《ミツル》、考えてくれ。おれたちゃ金《カネ》がねーんだよ。おれの家族がひと月暮らしていくのにどれだけ掛かるのか、おまえはわかっちゃいねーんだ」


「だったらパチンコなんていくなよ」


論破は2秒で終わったが、充《ミツル》は渋い表情をつくり、

言いにくそうにこう告げた。


「今度は出るぞ、報酬が。『実験協力費』というやつだ」


「マジかそれ! なら受ける!」



「……だったらさっそく紹介しよう。飛鳥《アスカ》くん、入りたまえ」


それを合図に、


「失礼します!」


凛とひと声ドアがひらいて、若い婦警が現れた。


……名前を呼ばれるまでずっと、律儀に部屋の外にいたらしい。

ひと目で「まじめなやつ」とわかった。


知性を感じるシャープな目つき、きりりと引き締まった口元。

髪は後ろでポニーテールに、スレンダーボディを制服に包み、

きびきびとしたその歩き方は、まるで背骨の代わりに「竹刀」かなにかを埋め込まれてるみたいだ。


「大八木警視! お呼びでしょうか!」


模範みたいな敬礼に、思わずギャラリーたちの間でパチパチまばらな拍手が起こる。


「彼女の名前は『飛鳥《アスカ》マークⅡ』。警視省の特務捜査官だ。いいか、羊一、いや、シープマン。今後の仕事は彼女とふたり、『ペア』を組んで動いてもらうぞ!」



「え……? はあ? どういうこったよ?」



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