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魔珠  作者: 千月志保
第9章 駆け引き
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カードを切る時(2)

「一通り博士がエネルギーの抽出方法の話をして、最新技術を見せてくれると魔法陣から見たことのない施設に案内してくれた」

「見たことのない施設? どこにあるか見当つかない?」

 メノウが食いついてきた。

「残念だが、さっぱり。マーラルのように研究所の地下の空間かもしれないし、別の場所かもしれない」

「で、あったの?」

「ああ。あった。マーラルよりも高性能と思われる魔術兵器が」

「やっぱり……」

 メノウは目をそらした。スイも目をそらしたかったが、そうしたい気持ちを抑えてメノウの反応をそっと観察する。何も言葉が出てこないようなので、スイから口を開く。

「こんなことになって申し訳ない。私の目が行き届かなかったばかりに」

「ううん。スイは悪くないよ」

 慌ててメノウは首を振った。

「あの輸入量で兵器を作れるなんて考えられない。博士が……うまくやったんだよ」

 そう考えるのは妥当かもしれない。だが、何の慰めにもならない。

「それで、博士はどうやってそれだけのエネルギーを確保したの?」

「人間を……〈器〉にするんだ」

 スイは別の実験室に案内されて魔結晶を生成する工程を見せてもらうことになったことを話した。指名された魔術師の反応、そして。

「スイは〈器〉になったの?」

 メノウの顔が青ざめた。だが、その後の反応は冷静だった。魔結晶ができあがるまでの過程、その後〈器〉に襲いかかる真の恐怖。一通り話を聞き終わったメノウは薄気味悪い笑いを口元に浮かべた。

「そう……リザレスはそんなところまで辿り着いてしまったんだ」

 見たことのない笑い。スイは全ての思考が凍り付いたようになった。だが、すぐにメノウに質問されて無理やり思考を再開するはめになる。

「ねえ、スイ。魔珠ってどうやってできるものだと思う?」

 ずっと里だけの秘密にされてきたこと。だからスイには分からない。それでもこういうものなのではないかとずっと考えていることはあった。

「魔珠は鉱物で、採掘されて宝石のように加工された状態のものなのではないかと創造していたのだが」

「そう。そのとおりだよ。いや。そのとおりだった、という方が正しいかな」

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