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魔珠  作者: 千月志保
第8章 魔結晶
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シェリスとアリサの訪問

 ここで解放しないということはないだろうが、できることならちゃんと研究所から出て行くのを見届けたい。

 ハウルはまだ何かを探るような目をしていたが、すぐに諦めた。スイに任せると決めたのだ。もう関わってはいけない。

 レヴィリンは扉を開けると、そこで待っていた見張りの魔術師に言った。

「ハウル君を解放する。スイ君と見送ってやってくれ。私はここで待っている」

 魔術師は一礼してスイとハウルを研究所の受付付近まで連れて行った。

「ありがとう、スイ君」

 スイは心の中で「こちらこそありがとうございました」と言いながら笑顔だけ返した。


 身支度が整って部屋を出ようとしたちょうどそのときだった。シェリスが来たと告げられた。玄関先では済まないような気がして玄関横の小さな応接室に通しておいてもらった。手にしたばかりのバッグをもう一度ドア口にゆっくり置いてキリトは部屋を出た。

「おはよう。何かあったのか?」

「昨晩、魔術研究所の人からスイ様の手紙を受け取りまして」

 封筒を差し出す。受取人はシェリスになっている。

「読ませてもらっていいのか?」

「ぜひ」

 キリトは黙って封筒を手にした。スイの筆跡だ。間違いない。さっと目を通して便箋を封筒に戻し、シェリスに返す。

「向こうも動き出したようだな。スイはしばらく出張扱いにしておくよ。取りあえず見守るだけしたできないが、何かあったら連絡してくれ」

「かしこまりました」

 シェリスを見送ろうと部屋を出た瞬間、玄関の扉が開いた。

「キリト! あら、あなたは」

 アリサだった。すぐにキリトの横にいるシェリスに気づき、スイの執事だったと思い出す。

「ちょうど良かった。ハウルが帰ってきたの。スイにもお礼を言いたいと思っていて」

「ハウルさんが?」

 この時点で解放したのはなぜか。疑問が次から次へと脳内に湧き出てくるが、全てスイが帰ってきたら分かることだ。逆にスイが帰ってくるまでは分からない。取りあえずはハウルが帰ってきたことで満足することにする。

「それは良かった。ただスイは……」

「ええ。ハウルから聞いたわ。しばらく帰れないのよね。だから、戻ってきたら、伝えておいて欲しいの。また改めてお礼させていただくけど」

 シェリスは頷いた。

「かしこまりました。必ずお伝えしておきます」


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