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魔珠  作者: 千月志保
第7章 リザレス魔術研究所
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書庫(4)

「博士の発見のおかげでリザレスの人口は増加しているにも関わらず、魔珠の使用量が抑えられ、リザレスの経済的な負担が軽減されただけではなく、資源保護の観点から里からもこの技術は評価されています」

「里にとって魔珠は貴重な財産だからね」

 レヴィリンはにこやかな表情のまま席を立った。

「それでは、マーラルの研究所を見学してきたという君に、我が国の最新技術を少し見てもらおうかな」

「はい。ぜひ」

 スイも笑顔で立ち上がったが、警戒心は最高レベルになっていた。ハウルを拉致してまで兵器の存在を隠し通そうとした研究所がそう簡単に手の内を明かすはずがない。それともスイには隠し通せないと踏んで、真実を明かして対応を決めようと方針転換したのか。そうだとしても、勝算がなければ相手もそんな出方はしない。何かの罠が潜んでいると考えて間違いない。だが、罠だと分かっていても今のスイには飛び込んでいくしかなかった。これは情報を得て真実を確かめる絶好の機会になるかもしれない。少なくとも今はこれ以上の手を思いつかない。それに罠にはまったときは解除すればいい。解除できなくなるような事態にさえならないようにすればいい。

「こちらへ」

 レヴィリンに案内されて窓際にあるデスクの前まで来ると、本棚の影になって見えていなかったが、両サイドの壁に隣の部屋につながっていると思われる扉があった。レヴィリンは左側の扉を開け、中に入った。窓のない狭い部屋で、成人男性なら五人も入れば身動きが取りにくくなるだろうとスイは思った。部屋の中心に人が一人立てるくらいの大きさの魔法陣が赤く光っていた。レヴィリンはそれを倍程度の大きさに広げると、魔法陣の中に立って、スイにも入るように言った。

「研究室の近くまでワープできる魔法陣だ。準備はいいかね?」

「はい」

 スイが答えると、一瞬で景色が変わった。正確な場所は分からないが、この時間でワープできたということは研究所内であるということはまず間違いない。おそらく一般人が自由に立ち入ることのできない地下だろう。

 レヴィリンが扉を開けると、廊下が広がっていて、向かいにも扉があった。地下一階に何度か行ったことがあるが、見覚えのある風景ではなかった。マーラルのようにさらに下のフロアが存在しているのか、あるいは別のエリアがあるのかもしれない。廊下も他の場所と違って直線になっていない。

 二人はいくつか交差点を曲がって扉の前で止まる。扉にレヴィリンが手をかざすと、ロックは解除された。

 扉を開けると、青く明るい光が洩れた。中に入ってスイは目を疑った。部屋の中央に青く光る水晶玉のような物体が浮いていた。これは。

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