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魔珠  作者: 千月志保
第7章 リザレス魔術研究所
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尾行の成果(2)

「見張りは北地区の路地で別の魔術師に会い、あなたがここに移動したことを報告したようです。その後、二人は別れて、見張りはこちらの方向へ、報告を受けた魔術師は別方向へ移動を始めたので、報告を受けた方の魔術師を尾行しました」

「どうせ研究所に報告に戻ったんだろう」

 キリトが先を読む。

「研究所には今日は結界が張られていて入れませんでしたが、その魔術師は地下の西側に向かっていました。おそらくそこにハウルさんが捕らわれているのではないかと」

 アリサは心配するような目をしながらも、落ち着いた穏やかな表情でうなずいた。

「いろいろありがとう、スイ。ハウルのことは、あなたに任せる」

 そして、ドアを開いて微笑む。

「先に休ませてもらうわ。二人で話すことあるんでしょう」

 うなずく代わりに笑顔を返す。

「では、おやすみなさい」

「おやすみなさい」

 短く挨拶を交わし終えると、アリサは退室した。先ほどまで賑やかだった部屋は、スイとキリトの二人になった。

「続きを聞こうか」

 座っていたソファに体を埋め、キリトは足を組んだ。スイは続けた。

「研究所にはレヴィリンもいたようだった」

「兵器絡みならレヴィリンが直接指示を出している可能性もあるな。他は?」

「メノウが研究所の様子を見に来た」

「メノウが? どういうことだ?」

 驚くキリトにメノウの姿を見つけたときの様子やその後のやり取りを手短に説明した。

「そうか。もう里はそんなところまでたどり着いているのか」

 里が先に兵器開発の可能性に気づいた。自国のことなのに先を越されたのはショックだった。

「生活と研究に使用する量の魔珠だけから兵器を作れるほどのエネルギーを取り出す。いったいどんな手品を使っているんだろうな」

 いろいろな可能性を考えてみる。思考を巡らせているうちに、別のことが不意に頭に浮かんで、キリトははっとなる。

「ところで、スイ。メノウは?」

 メノウはいつもスイの家に泊まっていく。だとしたら、スイをあまり長く引き留めていてはならないのでは。

 スイもキリトが考えたことをすぐに理解し、短く答えた。

「今日は帰った」

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