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魔珠  作者: 千月志保
第6章 疑惑
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マーラルの辿る道(4)

「魔珠を力尽くで奪い取るしかないな。例えば、メノウを襲って輸送中の魔珠を手に入れるか」

 だが、メノウを尾行することは容易ではないと、スフィア山脈で思い知らされたはずだ。しかも、里の貴重な資源であり、財源でもある魔珠を強奪されるなどという事態になれば、死活問題だ。忍びの者も積極的に動き出すに違いない。それよりは。

「他国を占領して魔珠を確保する方が現実的かもしれないな」

 マーラルは兵器の開発に成功している。開発するためのノウハウを習得した。今すぐに行動すれば、必要な魔珠を国内だけで確保し、性能が多少劣っても周辺諸国を脅かすだけの戦力になり得るだけの兵器を作ることもできるだろう。占領に成功すれば、兵器に使用した分の魔珠が補填され、国内流通も安定する。

「頭の痛い話だ」

 キリトが苦笑する。相手がヌビスであることを考えると、戦争を回避するのは難しそうだ。であれば、被害を最小限にとどめるための筋書きをこちらで用意してうまく相手をその舞台に誘い込まなくてはならない。

「大丈夫だ。お前ならできる。それに、優秀な部下もついている」

 キリトは外務室でいつも顔を合わせている仲間たちや、各国で情報収集や諜報活動を行ってくれている者たちの顔を一人ずつ思い浮かべて笑顔になった。

「そうだな。お前もいるしな」

「私は面倒な話ばかり持ってきて、ただのトラブルメーカーだ」

「まあ確かに魔珠絡みの話は面倒な話が多いのは事実だけど」

 やんわりと同意してキリトは優しい目をする。

「お前がいると思うだけでちょっと大胆かなと思えるような行動も思い切って選択できるんだ。不思議だな」

 スイがついていてくれていると思うだけで、うまくいきそうな気がする。強い信頼。そう思わせる力をスイは持っている。

「私もお前がいてくれるから思ったように行動できる。お前が外務室長だから自由にやれる」

 そう言われて悪い気はしなかった。もっとも、スイだからこそ自由にやらせているのだが。

「とにかく情報収集を強化してみよう。特にマーラル関連は。お前も何か気になることがあったら、聞かせてくれ」

「分かった」

 その後、とりとめのない話をしているうちに安心して少し眠った。また呪いの夢にうなされたが、隣で読書をしていたキリトがすぐに気づいて薬を飲ませてくれた。しばらくはキリトの薬の世話にならなければならなさそうだ。

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