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魔珠  作者: 千月志保
第11章 迎撃準備
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恩師の私邸(4)

 カミッロに教え子たちは頷いた。

「だが、どうだろう。うちの諜報部で集めた情報と外務室から提供してもらっている情報とを総合すると、私にはマーラル王が陛下のお考えになっているような行動に出そうな気がしなくてね。君たちはどう思う?」

「同感ですね」

 キリトが答えると、カミッロは満足げに微笑む。やはりこの二人は自分と同じように考えていた。

「マーラル王は自身の魔術師としての力を試してみたいと長年願っていた。魔術兵器はそのために作ったもので、その存在が里に知られず魔珠の輸出停止措置が取られる事態にならなくても、いずれその願いを実現できるように着々と準備を進めていた。対決の舞台はもうすでに決まっていたのです」

「やはりマーラルとの戦いは避けられないか」

 スイの言葉にカミッロがため息をつく。

「ただ回避するために最大限の努力はしてみるつもりです」

 キリトが断言する。

「先生も陛下から聞いておいでかもしれませんが、里からもヌビス政権が崩壊し、魔術兵器の危険性がなくなるまではリザレスの兵器保有を認めるとお墨付きをもらいました」

 その件は先日スイが直接エトにも伝えたので、カミッロも聞いているはずだ。

「抑止力にはならない可能性が高いですが、カードとしていちおう最初に切ってもらおうと思います。いずれにしても兵器の存在は里が公表するでしょうし」

 このタイミングで公表しなくても、マーラルの兵器の脅威がなくなれば、里の矛先はリザレスに向かう。里はリザレスが兵器を保有していることを公表し、兵器を受け渡さない限り、魔珠の輸出停止を宣言するだろう。

「魔術兵器の存在は、ヌビスを思いとどまらせることはできなくても、マーラルの上層部やマーラル軍にとっては脅威になり得るでしょう。ヌビスを排除できれば、その後の交渉がやりやすくなります」

「それもそうだな」

 キリトの言葉にカミッロは理解を示した。

「そういう前提で動けるようにしておこう。ところで」

 不安に思っていたことをわずかながら共有できて少し安堵した様子でカミッロは続ける。

「君たちも知ってのとおり、戦争になったら、基本的にリザレス軍は私の指揮する戦闘部隊とレヴィリンの指揮する魔法部隊に分かれて行動する。だが、現地での総指揮権は戦闘部隊隊長が持つ。つまり全体の作戦は私が統括して進めていかなくてはならない」

 実際には、魔法部隊の作戦の立案はレヴィリンがすることになるが、それを組み入れながら全体の作戦を考え、指揮していくことになる。

「スイ、戦争が始まれば君も何らかの役割を担って行動するのだろう。どう立ち回るのかは無論君に任せることになるのだが、もし戦闘部隊の一員として動いた方が動きやすいようであれば、戦闘部隊内に必要な席を用意できる」

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