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魔珠  作者: 千月志保
第11章 迎撃準備
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恩師の私邸(1)

「それがいい。ただその予定少しずらしてもらえないか?」

「何かあるのか?」

「カミッロ先生から呼び出し喰らったんだよ」

 カミッロは士官学校で剣術実技や戦術などの講師だった。確か二年ほど前からリザレス軍戦闘部隊隊長をしていたはずだ。

 リザレス軍は戦闘部隊と魔術部隊から成り、国王が総司令官として形の上では軍のトップとして組織されている。カミッロは戦闘部隊の方のトップというわけだ。魔術部隊隊長は現在、魔術研究所所長でもあるレヴィリンである。実質的には二つの組織を国王が緩く束ねている感じで、それぞれの部隊の実務は隊長に一任されている。

「陛下からお話があったのだろうか」

 その前からマーラルの情勢は戦闘部隊の方でも観察している。外務室を始めとする他の部署からの情報もある。戦闘部隊の独自の判断である程度準備はしていただろう。だが、ここで外務室長であるキリトと魔珠担当官であるスイを呼び出すということは、いよいよ動き始めたと考えるのが自然だ。

「かつての優秀な教え子たちと手合わせだって」

 にやりと笑ったキリトにスイは苦笑を返した。

「分かった。剣を持って行く」

 マーラルが動き出す。その前に情報交換をしておきたいのだろう。信頼できそうな教え子の二人となら少しは腹を割って話せることもあるかもしれない。そう考えたに違いない。

「少しは上達しているかなあ」

 楽しそうに言うキリトをスイは穏やかな表情で見つめた。

 楽しみだ。久しぶりに三人だけで話をするのは。どのような話ができるのだろうか。


 約束の朝、二人でカミッロの私邸に向かうと、中庭に案内された。カミッロはすでに素振りをしていた。動きが全く衰えておらず、隊長になってからも多忙な中、時間を見つけてよく鍛錬を続けているのだろうとスイは感心した。カミッロが二人に気づいて迎える。

「よく来てくれたね」

 早速準備を始める二人をにこやかに見守りながらカミッロは訊いた。

「どちらから始める?」

「お願いします」

 キリトがすっと立ち上がる。

「変わらないな、お前は」

 士官学校でもいつも最初に手を挙げていた。スイはくすりと笑いながら芝生にゆっくりと腰を下ろした。

「では、行きますよ」

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