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魔珠  作者: 千月志保
第11章 迎撃準備
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種明かし(1)

 目が覚めると、自室のベッドにいた。

 記憶をたどる。

 里にいた。眠りにつく直前に聞いた言葉は確か。

「それでは、眠っていただきますよ」

 長老との話が終わってすぐに魔術師が現れてそう言った。

「またね、スイ」

 薄れていく意識の中でメノウが優しく見送ってくれていたのを思い出した。

 里で目覚めたときと同じように身体が固まっているような感じがした。慌てずに手足から動かしながら身体をほぐしていく。違和感がなくなってきたところで起き上がってみる。そのままベッドから出て窓の方に歩いていった。日が落ちてからまだそんなに経っていないのだろう。空がきれいな群青色に染まっていた。

 スイは部屋を出てシェリスを呼んだ。

「お目覚めになりましたか。今うかがいます」

「いや。そちらに行く」

 一階から上がってこようとするシェリスを制してスイは階段を降りていった。喉が渇いていたし、食欲はあまりなかったが、しばらく何も食べていなかったせいで空腹感はあった。

「何か召し上がりますか?」

「軽いものがいい。あと食後にお茶を。話がしたい。お茶につき合ってもらっても構わないか?」

「喜んで」

 ダイニングルームに入ると、いつもの上品な笑みを浮かべながらシェリスは椅子を引いた。スイが座ると、奥のキッチンの方に姿を消した。グラスとカラフェを持ってきてテーブルにグラスを置くと、シェリスは水を注いでくれた。カラフェも置いてまたキッチンに戻る。一口水を飲んで喉を潤す。程なくパンとスープがテーブルに並ぶ。スープを口にすると、いろいろな野菜の味が広がった。眠っている間に仕込んでおいてくれていたのだろう。しばらく休んでいた胃にはありがたい食事だった。

 食事が終わると、シェリスは指示どおり二人分のお茶を用意して席に着いた。

 スイが一口飲むと、シェリスも「いただきます」と言って一口飲んだ。シェリスがカップを置くのを待ってスイが口を開いた。

「里で私を産んでくれた母に会った」

「そうでしたか」

 にこやかに頷くシェリスを見て、スイはいたずらっぽい笑いを浮かべた。

「やはりあなたもぐるだったのだな」

「黙っていて申し訳ございませんでした。忍びの方からお話をいただいてセイラム様とクレア様にご相談した結果、協力させていただくことにしたのです」

「父上と母上にも相談してくれていたのか」

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