5
ここは現実世界。しかもボクはこの場所を知っている。ここはエイショー基地。でも、ボクが知っているエイショー基地よりも新しい。出来たてホヤホヤ感が満載だ。とりあえずボクは古着屋でこの時代の衣服を揃える。大丈夫だ。言葉は通じる。でも、これ軍服だけど大丈夫かな?
そのまま西に歩を進めていくとジョーヨーにたどり着いた。ここはジョーヨーで間違いない。出会った人とも会話ができる。この国の暦覚えておけば良かった。王国暦七十五年と聞いたんだが、もとの暦知らないんだから比較のしようがない。しばらく歩いていくと派手な女が声を掛けてきた。
「兵隊さん、どこ行くの?」
「いや、間にあってるんで⋯⋯」
ボクはそう言ってやり過ごそうとして、ふたたび歩き出した。
「あらやだ。こんないい女、ほっといて何が間にあってるの? 兵隊さん、永昌基地でしょ。私、詳しいんだよ」
しつけえな!
「ねえ、なに黙ってんのよ。こんないい女前にして。ひょっとして私に惚れちゃった?」
ボクはさらに黙り続ける。
「ちょっと、あんたさあ。所属部隊は?」
尋問かよ⋯⋯。
ボクはこの女の尋問におちょくって答える。
「ハッ、エイショー基地所属シューティングスターであります」
なんだ?
ボクを化け物みたいな目で見てる。
えっ、ひょっとしてボクは今女竜さんなの?
「あんた、流星か?」
呆然としていたその女がようやく口を開き、そう言った。
「なんで流星がここにいるんだよ?」
その女がボクの胸ぐらを掴んで聞いてくる。
「おそらく僕が呼んだんだよ。涼ちゃん。あ、僕の名前は宋清。こっちが張涼青。君がシューティングスターだね。そろそろ来る頃だと思ったよ」
こいつ何言っているんだ?
ボクが黙っていると宋清は続ける。
「君、流星の涙を手に入れたろ。だから、ここに飛んできたんだよ」
流星の涙?
ああ、あの石ね。
ボクは胸ポケットにある流星の涙を取り出す。
「マジかよ。流星の涙って本当にあったんだ」
張涼青が呟く。
「君は流星の涙の能力者?」
ボクは首を横に振りこう言った。
「ボクはこの世界の人間じゃないからだと思うけど流星の涙の能力者じゃないらしいよ」
「そう、君が流星の涙の能力者かどうかは関係ないんだよ。流星の涙がこの世界にあるかどうかが問題だからね」
宋清はそう言って笑う。




