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250 夢の製麺機へ

大変お待たせいたしました。

長らく期間が空いてしまったので、サラッと振り返りを。

現在は製麺機を作りにワルフ王国というところにやって来ております。そこで執事さんに案内され、国を代表する鍛冶場を見学に来ている最中です。


 さてその後、ガラス細工も体験させてもらった。

 とんでもなく繊細な作業すぎて、ちょっとガサツな私には向いてないような気がしたけど。


 何はともあれ、これまで生きてきた世界では簡単に体験することも触れられるようなこともなかっただろうから、とてもいい時間になった。

 そんなわけで、今はみんなで食事をとっている。

 

 ちなみに、ルナ様との食事は夕方へと引き延ばされたらしい。

 執事さんが鬼の形相で、仕事をサボりすぎた罰だ、とか言っていた。


 一方平和なこちらは、ダンさんの兄弟はもちろん、奥さんもみんな一緒で家族団欒だ。


「ダンさんは機械とか作ったりしないんですか?」

「昔作ったことがあったがな、どうも俺は向いちゃいなかったんだ」

「この人は繊細なことにはあまり向いてないのよ」


 ダンさんの奥さんが説明を入れるも、ダンさんの仕事も十分に繊細だ。


「もしかして、みなさん歯車とか機械みたいなのは苦手だったりするんですか?」

「恥ずかしながらな」

「そうだな」

「得意だとは言い張れねぇな」


 …らしい。


「嬢ちゃんはそいつをお探しというわけだ」

「まっ、まぁ…皆さんには失礼かとは思いますが、正直にいうとそうなります…」

「はっはっはっ! 構わんさ。むしろ期待された方が困る」

「だな。俺たちじゃ中途半端なものしか作ってやれねぇしな」


 ダンさん達がいい人でよかったぁ。


「それで、フィリアの嬢ちゃんは、リンの護衛って言っていたな?」

「そうやけど、どうかしたん?」


 ダンさん達が、夫婦ともども顔を見合わせている。

 その設定は会った時にもチラッと言ったような気がするけど、改めてきちんと話をしていたせいか、ついに違和感を覚えたようだ。

 

「けど、この子は国のお客さん…ってことだよな?」


 今度は執事さんの方をチラッと見たが、執事さんは微動だにしていない。

 しかし、ダンさんが何かを感じ取ったのか、会話するまでもなくその言葉を自分で肯定ながらも、戸惑っている様子だ。


 もちろん、私みたいなキッズが国から来たお客様だなんて信じられないわな。

 無理もないよ。


「まぁ、変ですよね」


 こういうときは、自分から開き直るのが一番だ。


「はっはっはっ。人にはそれぞれの事情ってもんがあるからな」

「ありがたいです…」

「しかし、機械に興味があるのか…」


 ダンさんが意味ありげな表情を浮かべた。


「いいのかい?」


 その後に、執事さんのほうを見て、何かを確認した。


「もちろん、我が国のことをフィリア殿やリン殿にお任せするわけにはいけません」


 んっ…?

 なんのこと?


「しかしながら、ご足労をおかけして遥々と来て頂いたのに、こちらが最善の歓迎をできないのもまた事実であります」

「えっと…歓迎なら十分されてますけど…」

「いえ、実はリン殿がある機械を探されているというのは国王様よりお聞きしております」


 きっと、製麺機のことだ。

 探してると言うよりかは、作ってもらうって感じになりそうだけど。


「しかし、機械などに使われる歯車を動かすために、油を使うのですが、それが不足しておりまして…」

「あー、潤滑油ですか?」

「なんと、そこまでご存じでしたか」


 あっ。

 潤滑油なんてワード、この世界の一般人は知らないのかな…

 割とみんな知ってる単語だと思ってつい口走ってしまった。


「先にお伝えしておきますが、これは我が国のことで、お二方にどうにかしてもらおうということではないのです」


 もちろん、私たちが変に首を突っ込むとややこしくなることぐらいはわかっている。

 国と国の関係なんてのは、訳の分からないしきたりやルールに則らないといけないからね。


「だけどそれってかなり危機的な状況なんじゃないですか? 潤滑油なんてどんな機械にも使われてるぐらいのものじゃないですか」

「実はその通りでございまして…今もどうにかして他のもので代用できないか、どこかに潤滑油の原料がないか、恥ずかしながら必死に探し回っているところであります」

「なるほど…」


 さすがの私も潤滑油の詳細は知らないので、どうにもしてあげられない。

 にわか知識だと少しはあるんだけどね。

 一言に潤滑油といっても、成分で用途が変わったりするらしく、そのうちのひとつが…


「パラフィン系みたいなやつがあったような…」

 

 横をチラッと見ると、私の独り言にフィリアがハテナマークを浮かべていた。


「フィリアはそういうの……うん。知らないよね」

「もちろん、さっぱりや」


 脳筋フィリアにはちょいと難しいお話だったようだ。


 にしても、潤滑油なんて作り方も原料も何も知らない。

 サラダ油で急な代用は効くみたいなことは聞いたことあるけど、サラダ油なんて絶対に劣化が早いから、機械が傷んでしまう。


 とはいえ、私の製麺機のためというのもあるのはあるけど、困ってる人を見たら助けたくなるのは教師のサガみたいなものだ。

 ここで何もせず眺めておくのも、私にはできない。


『ねぇ、テアはどう?』

『どうとはどういうことじゃ?』

『原料はおそらく原油とかの部類だと思うんだけど、この辺で原油採れるところとかしらない?』

『知っておるぞ』


 知ってたよ。


『どのへん?』

()()()じゃ』

『…あそこかぁ』


 テアがあそこと表現する場所は、私の知る限り一つしかない。


 ただ、問題が一つある。


 もちろん言うまでもなく─────



 「─────どうやって誤魔化すかなぁ」

というわけで、一瞬闇堕ちしかけておりましたが、めでたく復活しました!

また週一更新目指して頑張って参りますのでよろしくお願いします!

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