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243 食卓

すいません。少し投稿期間があいてしまいましたorz


「みんな大変だったわね」

「まぁ楽しかったから、結果オーライって感じで」


 目の前には、疲れ果てた様子のサリナさんが座っている。

 その横にはシーナとフレアが座っており、私の横にはイリアさんとセリが座っている。


 どうしてサリナさんが疲れているかと言うと、そろそろ長期休暇が明け、学院が再び始まるからだ。

 一応学院長の立場柄、いろんな仕事をやらされてるだろうからね。


 普段仕事してなさそうだから、平均してちょうどぐらいだよきっと。


 そして今は何を隠そう、みんな集まってイリアさんのお店で晩ごはんを食べている最中だ。


「そうね。また来年も行きたいわね」

「うんっ!」


 みんなノリノリだ。

 これは毎年恒例の行事になるかもしれないね。


「学期末は行かないの?」

「ちょっと寒すぎるかな…」

「あー、確かに」


 この世界は、割と四季が豊かな気がする。

 今まで通り、春は少し肌寒い時があるし、夏はもちろん暑い。

 秋が丁度よくて、冬はもちろん寒い。


 これまでの私の感覚がバグらなくてよかったよ。

 もし9月でクソ寒いとか言われたら、私の体が狂っちまってたかもしれない。


「それでリンちゃん。さっき言ってたことだけど」

「あぁ、アーニャのことですか?」

「そうよ」


 イリアさんが訪ねてきたのは、アーニャのことだ。

 前に、テリスさんたちの新たな職としてラーメン屋を提案されたのだが、そのお手伝いとしてアーニャも早速加わりたいと言ってきたわけだ。


 当初はアーニャたちがもっと大人になってからの話だと思っていたけど、アーニャは確かにあの中では年齢が頭ひとつ離れている。


 世間では大人見習いといった感じだ。


 他の子達は少し年齢が低すぎると言うこともあって、とりあえず今の生活に慣れていってもらって、様子見をしてからとなったんだけど、アーニャがどうも引き下がってくれそうにない。

 素直でいい子のくせに、やたらと「わたしも手伝いますっ!」と目を輝かせている。


 テリスさんが、どうしてそこまで手伝いたかったのか気になって聞いてみたところ、昔から料理をするのが好きだったらしい。


 つまり、ハードな麺場希望ってわけだ。


 最初は私も反対したけど、どうもアーニャの持っているとんでもない熱意に押し切られてる節がある。

 

 とまぁそれで、その辺のお店に実際にお手伝い程度で働いてもらって、お店で働くということがどんなことか体験してもらおうと思ったんだけど、王都周辺ではなかなか丁度いいお店が見つからなかった。


 クシミルさんに頼めば快く受け入れてくれそうだけど、お相手が少し階級層の高い人たちのため、不可抗力でアーニャが気を張ってしまったら、本人のメンタル的にもあまりよくない。

 そこで、別に王都じゃなくてもいいんじゃね? と思い立ったが最後、そうなればもちろんここしかない。


 イリアさんのお店、フォーレンカレーハウスってわけだ。


 そんでもって、帰宅報告に行った時のサリナさんの顔が完全に死んでいたので、しゃーなしでイリアさんのところに連れてきてあげることにした。


 こちら、気遣いのできる女です。


「多分学院が始まってしばらくしたら、連れてくることになりそうですけど」

「わたしたちはむしろ助かるんだけど、本当に大丈夫なの?」

「まぁ色々あった子なんですけど、その辺は本人が1番わかってるんじゃないですかね。もし本人でも気づけないようなことがあれば、力になってくれる人が、今は側にいてますし」


 テリスさん達なら、アーニャから感じられる少しの違和感も気づいてくれるだろう。

 絶対的な信頼を置いているけど、あの人たちも色々とつらいことを克服してきた人生の大先輩だ。


「それに、警備もバッチリ」

「別にずっといるわけじゃないけど」

「まぁセリは最終兵器じゃん。メインは魔法使用の自動撃退だし」


 実はこっそりとイオに教えてもらった、防御結界を実際に試した。

 もちろん私はサッパリだったから、テアに丸投げしたよ。


 それに、イオとテアが少し打ち解けていたので、こちらとしては、ただただほっこりな時間だった。


 そんでこの防御結界、刃物などの物理的攻撃はガードできないけど、攻撃性の魔法を発動しようとした際に、自動的に撃退するシステムらしい。

 それだけでも十分な防御だ。


「最終兵器って…ひどいっ!」

「ふふ。セリ、頼りにしているわね」

「か、母さんまで…」


 最終兵器セリが始動するようなことがないよう、相手のためを思ってこちらからも願っておくことにしよう。


「にしても元気ないですね」


 サリナさんに確認するも、本当に元気がなさそうだ。

 なんせ返事が返ってこない。


 カレー食べて満腹で眠たいとか?


「イリアさん、どう思います?」

「昔から、何かが積み重なるとこうなってたのよ。懐かしいわね」


 うん。


 大丈夫そうらしい。


「フレア様、カレーはどうでしたか?」

「おいしかったですっ! 前からシーナがずっと自慢してくるので、わたしも一度食べてみたくて、夢が叶ってよかったですっ」


 珍しく、イリアさんがフレアに話しかけている。

 貴族に対してガチガチマンのイリアさんからすれば、かなり珍しい。


 まぁ、娘と同学年の、それも仲良しの友達なら必然的にそっちのイメージが優先されるのかね。


「フレアは結構辛いの大丈夫なんだね。意外だった」

「うんっ。卵があっても美味しいかもしれないけど、わたしはこのままの方が好きかな」


 あまりにも食べる姿がお上品すぎるから忘れていたけど、案外ワイルドな姫様だったのを思い出した。


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