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面談と決意

 月曜日の朝。学校電話をかけ、資料作りと思っていたが、川田の進路をキッチリさせるべく動くことにした。


 まずは、学校へ行き学年主任と相談。次は本人との面談。あとは親御さんにアポを取って三者面談か家庭訪問だ。今の僕はフリーのため、どちらでも対応可能だ。


「おはようごさいます」


松葉杖で出勤。


「おはよう。何しに来たかな?斉藤先生」


主任は怒っている。


「やだな。仕事しに来たに決まっているじゃないですか」


「馬鹿者。帰りなさい。私の管理者能力が問われます」


「主任に相談があり、やって来ました」


 主任はイヤそうにため息をつく。


「伺います。移動しますよ」


 主任に連れられ談話室へ移動した。


「一学期の三者面談は怪我をした担任の代わりに私がやりました。川田さん。おとなしそうな子でしたね。あの時、お母様と一緒でした。自分の希望を伝えれなかったのですね」


「ご迷惑おかけします」


「斉藤先生が、謝ることではないです。この時期の進路変更は楽に可能です。本人の意思を尊重するなら、その方が良いでしょう。許可します。再度、三者面談または家庭訪問を実施して下さい」


「ありがとございます」


「但し、松葉杖と包帯が取れてからにして下さい」


「今週、取れる予定です」


「ではそのように。あと、おおっぴらに学校には来ないて下さい。欲しい資料はメールで転送しますから」


「宜しくお願いします」


 主任との面談が終わる。職員室は芳しく無さそうなので図書室へ逃げ込むことにした。ここで川田の課外を終わるの待つ。


 キーボードを叩いていると授業終了のベルがなった。川田を捕まえるべく教室へ向かった。


「あ!先生がいる。花火大会の時、上手く逃げられたから」


 その声の主は沢田であった。


「おう、沢田。川田はどこだ?」


「後ろにいますよ。もう。葵ラブなんだから。でも浮気しているんですか?それとも二股?ヒドイ男。妻も娘もいたなんて」


 沢田。うるさい。無視だ。無視。


「川田、進路について話をしたい。時間取れるか?」


「ヒドイ。無視ですか。無視ですか。目の前の生徒は眼中にないなんて」


「図書室に行きます。梨紗ちゃんも行くよ」


「葵、あの男になんか言ってよ」


「よし。よし」


「漫才終わったか?」


「キイィー。漫才とはなんぞや!」


「うるさい。ほら、移動するぞ」


 沢田を促し、図書室へ誘導する。そこで川田と進路について打ち合わせだ。

 川田の話だと学校での三者面談というよりは、やはり家庭訪問のほうが都合が良いらしい。直接、ご両親に連絡する主旨を伝えた。川田の話は良いのだが、沢田は。


「はい。はい。はい。先生!結局あの二人はなんだったの?」


 沢田はここに来てもしつこかった。彼女とその妹と説明したが納得せずどう対処すれば収まるのか悩む。川田との打ち合わせはすでに終わり彼女も歓談に回っていた。


「どうしても、あの二人を妻と娘にしたいらしいけど、年齢的に無理だから」


「何歳なのさ?」


「彼女は30。妹は11だ。彼女が19の時に生んだ?あり得ないだろ。僕は25か?」


「葵が今妊娠すれば30にはあんな子供いるよ」


「ぷっ。梨紗、私を巻き込まないで」


「先生。その頃、生徒に手を出したりしてない?」


「ない。ない。アホなこと言ってないで帰るぞ」


 うっそ!弥生さんは弥生ではないよね。まさか、文ちゃん僕の娘じゃないよね?内心、沢田の言葉に心がざわつく。


 あの時、何も考えなかった。彼女の妊娠の可能性。妊娠したから僕らは離された?生んでいても、中絶していても、僕は彼女の人生にひどいダメージを与えているのでは?


 今年の夏は時間がある。彼女のことを探してみるか。どこまで追えるかわからないけど。一番初めの学校の学年主任は何が知っているかな?もう定年しているはずだ。自宅を訪問してあの頃の話を聞こう。


 この夏は時間がある。僕は進む為に過去の精算をしようと思う。



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