(1-09)ちょっとエッチなお店
◇ちょっとエッチなお店
桜さんと分かれてショップが有る所に行った。ちょっと離れた所に、大人な人達が集まっているお店があった。遠目では、ちょっとピンク系。気になりますよね男の子ですもん。でもこういうイベントでは良いのか?
気にしてはいけない、有るんだから良いはずだ絶対に合法! Sキューブだって見た目はロリだけど合法なんだから合法ロリなんだ。でも入れるかな? 入り口でパーソナルIDチェックして無いよね?
店舗の入り口から見えている物を見ると、『おおおっ。こ、これは! Sキューブ用の衣装ではないですか』良いのかな入っても。良いよねたぶん。衣装なんだからね。
恐る恐る勇気を持って中に入ってみました。IDチェックしてない様ですんなりと入れました。禁断のピンクなお店です。ドキドキ。コレがエッチなお店の初体験。今日の事は忘れないだろう。おおっ、良いのかこんなのSキューブに着せて……あっ! あれは、僕が求めていた物だ。Sキューブ用のパンツ。近付いて見ようとしたら。店員さんに「ちょっと君にはこのお店、未だ早いからね」って言われてしまった。回れ右をしてお店から退店。残念だ。小学生だってSキューブ使うんだから少し位多めに見てよ!
家帰ってからネットで調べよう。店の名前は覚えたからね。あっ! ダメだ。パーソナルIDで未成年のロックがPCに掛かってるからピンクなのは家でも調べられない。なんてこったい。博多っ子めんたい。
渋々お店を出て、Precision Optics社のブースに行く。営業中だよね。物凄く空いてる。若しかして僕のせいなのか?
もしTD社を使わなければ次に狙っていたのは、PO社のヴァナディス(Sキューブ)だった。PO社は、TD社以上に、ボディーが人間的である。TD社は若干アニメちっくだがPO社はリアル人間を目指しているような感じだ。元々が医療系機器製造企業が母体なので、こう言うのが得意なんだろう。好みの問題だけど、今はPO社だと萌え要素が少ないと感じる。
Sキューブを見ていると、暇なのかスーツを着た人が寄って来た。
「今日は、競技に参加ですか? 杜樹くん」
「私は、Precision Optics社の営業担当の海棠と言います、よろしくお願いします」
なんで名前知ってるんだ? でもCC社の演技見てれば知ってる人もいるのか……ちょっと失敗した自分が只の小学生の気分だった。さっき気をつけるって言ったばっかりなのに……この店来なきゃ良かったよ。
「杜樹です初めまして、今日はCC社から招待状が来たので見に来たんです」
「じゃあ、新製品発表会の映像は観ましたか?」
やばいかも……ヤバイよヤバイよバレちゃうよ。
「はい、観ましたよ」
「樹くんがCC社の競技で披露した演技にそっくりだと思うんですが、どう思いましたか?」
「はい、かなり似ていますね。ビックリです。でも昨年も殆ど同じ演技していましたし真似する時間はたっぷり有ったと思いますよ。流石に二週間では、真似出来ないでしょう。僕も今回、アニメ観て急遽衣装を代えたので前回の対策とチューニングで合わせて一年掛かっていますから」
「それはそうなんですよね、凄技の開発者みたいですが、TD社は悪魔クラスとか言ってますが」
「悪魔クラスは何か格好良いですよね。ちょっと憧れます。でも悪魔クラスでも、この前の僕の演技を見てから二週間で作るのは無理でしょう。僕も同一メーカーのCC社の最新型なら、なんとかなると思いますが、アッパーコンパチでマイグレーションもスムーズに行くと思いますからね。でも別なメーカーなら、たぶん頑張って二ヶ月位、それも夏休みみたいな時間が沢山とれればと言う条件も必要ですが。僕と違ってメーカー物の衣装も装着しているので、衣装データも調整が必要ですよ」
普通はこの位は必要だ多分だけど。間違いないはず。最近他人の常識が判らなくなって来てる不味いな……。
「少し聞きたいのですが、回答が無理なら構いません。一〇月に新製品を発売するとして、実機のSキューブは何時量産機が出来上がりますか?」
「まあどのメーカーも大体同じでしょうが大体二ヶ月前って所でしょうかね。今回のTD社のデモ見るともっと前に出来てないとあのデモは作れないでしょうね。ですが初回出荷が一,〇〇〇体ですから不思議なんですよね。いくら今迄の実績から予測しても、あのデモが有れば最低でも五,〇〇〇体は準備しておくでしょうね」
まだ、八月初旬だ、ホントに出来上がったばっかりだったんだ、花梨と胡桃は。
「だとしたら、デーモン・ツリーさんは、かなり前から僕の一年前の演技をコピーしていたんでしょうね。七月は衣装の重さでチューニングしっぱなしでしたよ僕は。自分で作った衣装だったので」
「いろいろ参考になりました。ありがとう御座います。ところでSキューブの買い替えですか、樹くん」
「ええ、僕のCC社のは、もう六年前のモデルで古いですから。でも今日のあれ観て良いなあって思ったんですけど一〇万円は、僕には無理です。今回は中古にも流れないと思いますし、逆に中古でプレミア付きそうですから。あの行列見てそう思いました」
「どうでしょう、樹くんになら、当社のSキューブを無償で提供出来ますよ」
「凄い魅力的なんですけど、父にも言われていて、そう言うのは断るようにと。良く判りませんが只より高い物は無いんだそうです。それに最近少し自信が付いて来たんで、PO社の大会でタイトル獲ればSキューブ貰えますね?」
「そうですね、そう言われたらその通りです。樹くんならタイトル確実に狙えるでしょう」
「まだ、Vehicle Control社も見ていないんでそちらも検討しようと思います。それじゃあ」
「はい、是非当社のSキューブを検討してください」
あーやばかった。誤魔化せたのか? VC社見に行くつもりだったけど、危険が危ないから止めておこう。大人しく競技見に行こう。
樹と会話したPO社の社員は一旦控室に戻った。
「杜樹くんが大会に来ていましたよ。会話もしました」
「それで、デーモン・ツリーは彼で確定か?」
「微妙ですね、間違いないとは言えません。いろんな否定条件が有りますが」
「どんな否定だ?」
「まず、杜樹くんは小学生です。CC社の大会前は大会に向けてプログラムを作成していた筈です。本人も言ってましたが七月は衣装の重さでチューニングしっぱなしだそうです。嘘では無いでしょう。それだけ難易度の高い演技でしたからね。それと合わせTD社のデモを三つも用意する時間は無いと思われます。仮に、一世代前の機種で体操演技を作成しておいてマイグレーションしたとしても、残り二つのデモだけで相当な難易度が有りますから、CC社の大会に出る余裕は無いでしょう」
「そうだな。そうなんだよな。無理だよな普通は、小学生だって暇じゃ無いんだしな。判った暫くは情報集めだな、デーモン・ツリーがTD社の専属になってると厄介なんだよな。まあうちはユーザー層が違うからそこ迄酷くはならないと思うけどな。CC社は青ざめてるだろうな」
「Sキューブの提供も断られました。自分で大会に出て貰うそうです。樹くんの実力なら不可能では無いでしょうね」
「そうか。判った」
樹は、バトル、体操、ダンスの予選を適当に観てお昼に、通路にあるファーストフードのお店で買って食べた。通路には、映像表示パネルが多数設置してあり、SキューブのCMが流れていた。自分の演技を多方面から撮影し組み合わせた物だが、凄くインパクトがある仕上がりである。
やっぱりこう言うのを作る専門家は仕事が違うって思いました。背景のCGは凄いリアル魔法少女に見える。実際演技はSキューブだからCG以上に滑らかだし。これ一週間で作ったんでしょ。脱帽です。だけどね、僕は残念です。チラっも揺れも無いんです。カットしてるんですよね全く。これじゃあ製品の魅力半減じゃ無いですか?
立ち止まっていた高校生? 位の男女(女の子は小学生? 本物の合法ロリかも)が映像を見て話し込んでるのが聞こえた。
『梓ちゃん! これ、凄いよな。こんな表情動させられるんだぞ、このSキューブ』
うん、そう何ですよ。良く見ていらっしゃる。貴方達は良い所に着目してるよ。
『新製品発表会の様子見たけど歌も歌うらしいしわよ』
『スゲー欲しい。でも高い』
『私は多分購入するわ、店頭販売開始したらね、今の二体を中古に流して。でも七万円は必要になるわね、お小遣いだと厳しいけど、頼めばパパ買ってくれると思うなあ』
『ちっ、いいよな白金のお嬢様は』
『苦木さんはどうするの? 赤羽のお坊ちゃまでしょ買えるんじゃないの?』
『僕も多分買うかな? バイト代つぎ込んで買うだろうな。一応今日の、デモ観てからにするけど。今のVC社のだと性能は良いんだけど、野郎モデルしか無いしね……でも高いな』
そうだよね、高いよね。泡吹さんと最初に会った時はCC社の最新型の二倍って言ってたけど2.5倍だもんね。でもこの位の機能は入ってるから妥当だと思うけどね。
高校生なのかな? が立ち去って行った。樹は、発表会での犬槇さんの言った言葉を思い出す。〝簡易ですがAIが組み込まれました〟AIって何だ? 意味は判るんだけど。人工知能の事だよね。自分で判断して行動することかなぁ? なんか皆してるような気がするんだけど。僕も人工知能を入れたつもりは無いんだけどな……良く判らん、普通の制御とAIの差は何だ? AIってなんだ? maわレmeら輪な居こと? でもAIって何か格好良い感じ。漢字で書くと〝愛〟なのか? 違うような気がする。それこそmaわレmeら輪な居ことだろう。そでも何か楽しめる感じがする。樹が、AIを意識したのは、この時が最初であった。
ちょこちょこと、競技を観戦したりして時間を潰し、体操競技が終わるのを待っていた。競技の最後の演技者になり体操競技を行っているホールに行った。既に、人がゴミのようだった。若しかして皆さん一足お先にダッシュすか? 所で何でこんなに沢山人が居るんだ、そんな着目する選手なのか? だったら競技が終われば帰って行くのかも。そう思って予選最後の演技を見た。CC社の最新型だったけど。パワー有るんだから、もっと凄い技出せば良いのにね。まあ予選だからこんな感じなのかな。結局最後の演技者が予選トップになったようだ。
これで皆帰るよねそう思って待って居たのにもっと人が増えてきた。もうお終いだから帰ろうよ。僕は背が低いから見えなくなっちゃうよ。子供なのを良い事に強引に、人を掻き分け、前に進んで行った。ちゃんとゴメンなさいって謝りましたよ。
最前列に到着すると、アナウンスが流れて、僕の演技が始まる所だった。
『これより、TD社新製品の製品発表会で披露したデモ演技を行います。このデモ演技は、〝悪魔の樹〟ことデーモン・ツリーさんが作成したものです』
お姉さん、ウグイス嬢みたいな良い声してますね。
花梨を抱えた大学生みたいなお兄さんが登場した。怪しいでしょ。どう観ても帽子被って、サングラスして。油ちゃんの息子みたいだよ。
お兄さんが、花梨をセットする。化粧されていないから、予備の花梨だろう。お兄さんが競技場から降りると。
『それではお待たせしました、デモ演技を御覧下さい』
音楽が流れ始めた。こうやって、離れた所で見るのも悪くないな、いろいろと判ることが有る。観客を無視して、向こうへ向かって大技を披露するのは、止めた方が良さそうだね。うん参考になったよ。
『明日の優勝者の演技より圧倒的になるんじゃないか、これで出場すれば確実に優勝するだろう?』
観客者の会話が聞こえる。
いやそれは違うかもね、結構いろんなの無視してるから。
『出場する必要無いだろ、Sキューブなんて簡単に貰える立場だろう、たぶんTD社と専属契約してるさ』
何故か、専属契約して無いんですよ。花梨と胡桃は貰ったけど。
『あいつなのか? デーモン・ツリーって、まあ、何かやらかしそうな感じでは有るけど』
『ああ、如何にも人形大好きって雰囲気が有るよな。新製品発表会ではSキューブを目覚ましにしてるって言ってたし、『お兄ちゃん』って呼ばせてるんだろ、行動と雰囲気がぴったしだな』
僕は、お兄ちゃんとは、言わせていないよ!
『でも俺も持ってればそう呼ばせるぞ』
へっ? 思わず、観てしまった。
『何か用か?』
『いえなんでも有りません』
貴方達も、変わらないじゃないですか。似非ツリーさんと。演技が終了したら、凄い拍手だった。終了後、さっきのお兄さんが出て来て花梨を抱いて裏方の方へ戻って行った。
『デーモン・ツリーさん作成のデモ演技でした。明日の競技終了後も、もう一度実演します』
ウグイス嬢のお姉さん。確かに嘘は言ってないね。お兄さんがデーモン・ツリーとは言っていませんね。
今日の予定は、もう無いので帰る事にする。TD社のブースに行って桜さんの所へ行こう。会場のホールから出るのが一苦労だった。ショップが有るホールのTD社のブースに行くと行列が増えていた。なんで、まだやってんの? まあ良いか。桜さんをブース内で探してたら、他の人と一緒に予約者を捌いていた。うーむ、どうしようか、電車で帰るか? たしか新橋に出て品川に向かってKQに乗れば良いんだよね。
店内を、少し見て回る。桜さんが気が付いてくれれば良いけど。まあ遅くなっても大丈夫だよね。多分だけど。Sキューブのコーナーをうろうろしてると。おおっ、ちゃんと着せ替えも沢山置いて有るじゃん。よく見ると、ちゃんとパンツがセットになってます。アニメだとボカシが入ってるからはっきり見えないけどチラってなった時の色が判るから、衣装のパンツも色がちゃんと違うんですね。他にもいろいろと有りますね。ちょっと欲しいかも。今度ちゃんと調べて見よう。TD社良い仕事してますね。真剣にコスチュームを見てると桜さんがやって来た。
「ゴメンなさい、遅くなっちゃって」
僕もいま来た所だから。って言いたい。でも彼氏じゃないし。
「いえ、大丈夫です。なんであんなに並んでるんですか?」
「デーモン氏の演技が終わったら急に集まって来たのよ。たぶん迷ってた人達が予約に来たんだと思うわ。店頭販売が何時になるか判らない状況だから。今日明日は、ここででしか予約出来ないしね」
「結構売れてるんですね」
「結構なんてもんじゃ無いわ。今迄の販売台数より、今日の予約の方が多いと思うわ」
へっ、流石にそんな事無いでしょう。
「これも、デーモン氏のお陰ね」
「そんなの無くてもちゃんと売れたんじゃ無いかなぁ……物は良いですからね」
「こう言うのは結構宣伝がモノを言うのよ、口コミでジワジワってのも期待出来たかもしれないけどね。明日もこの状態になったらどうしようかなあ。週明けが怖いわ」
「申し訳ありません」
「気にしないで。それより帰るんでしょ」
「はい、そのつもりです」
「犬槇に連絡するから、少し待ってね」
桜さんのTELが終わって。
「樹くん、社用車使って帰りなさいって言ってたわ」
「えーっと、それって……」
「今日、社長が乗ってきた車だけど、樹くんのお父様と、電車で何処か行ったって」
「昼間から飲んでるのかな?」
「そうかもね。地下駐車場だから案内するわ。付いてきて」
「はい」
桜さんに案内されて、地下駐車場に行って、社用車に一緒に乗って送って貰う事にした。車の中で、明日は、真弓と一緒に午前の終わり位に行きますと伝えた。桜さんも、明日も発表会は有るけど、大丈夫と言ってくれた。家に着くと、父は未だ帰ってきていませんでした。あっ一緒にホテル泊まりたいって言うの忘れてた……ぱふぱふ失敗! 所で僕の夕ご飯はどうすれば良いんだ? 児童虐待じゃ無いのか? 仕方ないのでコンビニで買って来ました。
よろしくお願いします。




