第十五話
そしてその後に治療ができるのにと、治療師は下を向いて嘆なげいていた。
その言葉にユウマは不思議に思い。
以前自分がエリクサーを出した時も、シルフィーが驚いていたので、詳しく知るためシルフィー達の元に行き。
「シルフィーさん。ちょっとすみません。こっちに来てもらえます」
「はい?どうしました。ユウマ様」
シルフィーを、みんなから少し離したらレーネとキュリカも付いてきたのだが、構わず小声で聞いてみた。
「あのう、他の薬もそうなのですけど、エリクサーってそんなに無いものなのですか?この間も思ったのですが?」
「ええ、以前も説明しましたけど。調薬できる薬剤師がおりませんし」
「はい、そうですね。材料などの素材も貴重ですから」
「それに材料があっても調薬できるかどうか?」
その言葉を聞いて、何かを忘れているような気がして考え込んでいると。
「ユウマ様に作って頂いた上級回復薬ならまだ残ってますのに、残念です」
キュリカの、その言葉である事を思い出し声を上げた。
「「「あっ!」」」
ユウマとシルフィー、そしてレーネが何かを思い出したように声を上げた。
その声に驚いたキュリカが。
「どうしたのですか?3人とも」
そうこの時3人は、ユウマとシルフィー達が初めて出会い。
そこで負傷したみんなを治療を行なう為に、ユウマが薬剤師スキルと錬金術を使用して調薬した時の事を思いだした。
そして、あの時大量の上級回復薬を作ったその後の事を思い出して声を上げた。
「ユウマ様、あの時確か・・・」
「ええ!確かエリクサーを1本使わずに・・・」
「はい、確かに!ここにあります」
アイテムボックスから以前使わなかったエリクサーの小瓶を、ユウマは取り出し。
「シルフィーさん!これを、ロベルトさんに渡してやってください」
そう言ってエリクサーの小瓶を渡したら、シルフィーがロベルトのもとに急いで行き。
そして事情を説明してエリクサーの小瓶を渡した。
「シルフィーよ、これは?」
「エリクサーです。どうぞお使いください」
ロベルトは、手渡された小瓶を見て、まさかと思ったが念のため確認してみた。
そして、驚いた顔をして。
「何故エリクサーを持っているのだ?これは現在、出回っていない代物だぞ」
「ええ、解っていますわ。叔父さま!これはユウマ様がお持ちになっていた物を譲って頂きましたの」
ロベルトは、その言葉を聴きユウマの方を向いて頭を下げ。
リステーを看ている治療師の元に急いで向かったのだった。
このときユウマは、ロベルトがこちらを見て頭を下げて来たので手を上げて答え。
そのあと複雑な気持ちで、何でこんな事になったと考え。
『たしか俺は朝食に招かれて、ここに来たんじゃなかったけ?』
改めて今までの事を考えて。
『なんか厄介ごとばかり巻き込まれるな』
などと思いながら。
何故か盛大に「はあっ」と溜息を吐いて空を見上げていた。
ユウマが空を見上げ黄昏ている間に、シルフィーがユウマ達のいる場所に戻って来て。
シルフィーはそんな、黄昏ているユウマの方をみてからレーネに聞いてみた。
「ユウマ様は、どうしたのですか?」
「いえ!先程から何故か空を見上げて、考え込んでいる様なのですが?」
「何故か先程、溜息を吐いたあとから、この様に?」
ユウマの現状を見て。
どうしたのだろうと3人が、心配になって近づいていき声をかけた。
「ユウマ様、大丈夫ですか?」
「そうですね。どうしましたか?」
「そうですよ。せっかく、リステー様の治療が出来ますのに」
「まあ、最悪は治らなくてもよろしいのですが・・・・」
シルフィーのその言葉を聞き2人がウンウンと首を立てに振った。
『うわっ、シルフィーさん最期のはどうかと思うけど?でも二人とも同意しちゃってるよ。どんだけ嫌われてんのリステー氏・・・』などと思いながら。
「いえ、俺、ここに何しに来たんでしたっけ・・・」
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「「「それは、あっ・・・・・!!」」」
シルフィー達は、ユウマの言葉を聞いて少し考えて「はっ」としていた。
第三章:第十六話につづく
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その頃、ロベルトはリステーの様子を看ていた治療師の近づき・・・・・?




