第十三話
訓練場の中央付近というより、ユウマ自身から強大な魔力と聖なる力が膨れ上がり弾けた。
そしてシルフィーが、そのユウマの方に視線を向けてみたら。
光輝く剣を持ったユウマが炎の竜巻を打ち消し何事も無かったように、その場に立っている姿を確認した。
その光景を見て驚き、そして無事な姿を見て涙を流し喜び、安堵してからユウマの元に駆け出していた。
そのシルフィーを追うようにレーネとキュリカ、そして領主であるロベルトも駆け出していった。
この時ユウマは、またとんでもない事をやらかしたと、「はあぁっ!」と盛大にため息を吐いて剣を鞘に納め。
この剣さっきすごかったなと思い。
まじまじと良く見ると、剣の柄が購入した時と形が変化してる。
そして何とも言えない神々しく輝きを放つ翼の様な形になっていた。
『そう言えば、あのときこの剣が語りかけてきたような気がしたが』と思い。
剣の鞘をやさしくコンコンと叩いたら柄の部分が光り輝き。
そして購入した時の、元の形状に戻った。
「なんあだ、この剣また元に戻った?もしもし、お前俺に語りかけたよな」
そう剣に語りかけていた。
この時、ユウマはこの剣がどうなっているのか解らず。
また、とんでもない物を手に入れてしまったと考え、先程の事を思い出し。
そして考えるのをやめて空を見上げて。
『どうしよう!逃げるか。でも・・・?逃げれ無いよな』
ユウマが空を見上げながら黄昏て悩んでいる所に、シルフィーと他の3人、そして使用人達と執事のセバリオが駆けて近づいて来ていた。
そして一番最初にシルフィーが、駆け寄って来てユウマに飛び付いた。
その行動に驚き転倒しそうになったが何とか耐えて、シルフィーの体を抱き支え顔を見たら笑顔の半泣き状態で。
「ご無事でよかったです。ホントに貴方が無事で」
涙ながら言ってきた。
ちょっと恥ずかしかったが、ここはシルフィーの好きなようにさせ様と思った。
それにちょっと心配させ過ぎたかなと、反省しつつ周りの様子を伺っていると。
キュリカとレーネも飛び付いては来なかったが、ユウマに近づき笑顔でホントに無事でよかったと語りかけてくれた。
その後ろでは、領主のロベルトが笑顔でユウマに礼を言いながら語りかけた。
「ありがとう。馬鹿な事をやろうとしたリステーと執事のセバリオの命を救ってくれて。それに何より君がホントに無事でよかった。もし君に何かあったら悔やみきれんし、シルフィーに何を言われるか・・・」
領主ロベルトのリステーと言う言葉に、ユウマは思い出してシルフィー達に。
「ちょっとすいません」と言って解放して貰い。
蹴飛ばしたリステーの元に歩いて行こうとした。
この時シルフィーは、名残おしそうに手を離しこちらを見つめていたが、ユウマは視線を向けすみませんと手をあげた。
『そういえば、手加減したとは言え結構思いっきり蹴ったけど大丈夫かな?」
先程の助けるためとはいえ、蹴飛ばしたリステーを心配して近づいて行くと。
みんなも、ユウマの後を追うように着いてきた。
みんな何故かリステーを心配してないのか?誰一人、彼の元には行っていない。
しかも叔父である領主のロベルトもだ。
『この仕打ちは、ちょっとリステーにはかわいそ過ぎるのでは・・・』
この時、日頃の行ないが悪いとは言え、若干リステーが気の毒になってきたユウマであった。
そして彼に近づきの様子を見てみると。
「あちゃー、大丈夫かな?」
ユウマがその言葉を漏らしたのは。
リステーを蹴飛ばした先に、彼が先程外したフルプレートの鎧と大盾があった所であり。
しかも、その場所に頭から突っ込んで大盾に頭を打ち付けている。
第三章:第十四話につづく
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その姿は、痛々しい状態なのだが、なんとも笑えてくる姿だった。




