第七話
そして、ユウマの声で5人が一斉に行動を開始した。
まずユウマは、現在の状況を再度確認して、こちらの様子を伺い隠れながら近づいてくる人物に悟られない様に注意を払いながら行動を開始した。
ゆっくる近づいたら感ずかれると思ったので【超加速】のスキルを使用した。
そして姿を隠しながら近づいて来ていた男の背後に気配を消して一気に回り込み、男の肩を手でトントンとたたいて気が付かせた。
こちらに慌てて振り向いた男の肩に手を置いた常態で、頬に指をあて驚かせた。
すると男は先程まで馬車の近くにいたユウマの姿と、現在自分の後ろにいる姿と行動に驚いて慌てて後ろに避け飛びのいて。
「なっ!何者《トン》うっ!・・」
何かを喋ろうとしていたが、構わずまた背後に回り首の辺りに手刀を当て気絶させた。
そして、事前に持って来ていたロープで男の手足を鼻歌まじりに拘束縛り上げ。
そのまま赤髪牙熊の戦闘場所まで行く事にした。
すると攻撃性の感情を失い動かなくなった赤髪牙熊に、どうしたんだと戸惑って警戒している騎士たちに向かって声をかけた。
「その魔獣を使役していた人物を気絶させ拘束してましたから、その動かなくなった魔獣を、今のうちに止めを刺してください」
騎士たちに今のうちに動かない魔獣の止めを刺すように伝えた。
一方そのころ、シルフィーたちは、4人で魔法を同時に放ち、もう1人の使役者がいたであろう木の上を吹き飛ばしていた。
木の上で蒼牙熊を使役していた人物は、丁度騎士たちに魔獣が止めを刺されると思い、魔法で邪魔して形勢を変えようとしていたのたが。
シルフィーたちの魔法攻撃に気が付かず、まともに4人の魔法を浴びて落下していた。
この時シルフィーたちが放った魔法は、かなり豪快に使役者と木々に直撃して爆散して。
そして木の破片が周りに飛び散りすごい音と同時に騎士たちは、蒼牙熊に止めを刺していた。
しかし派手な爆発の音に驚き、その方向を見た騎士たちが木々の破片と共に落ちてくる、衣服が黒焦げの男に気が付き何が起きたかわからず。
その落ちてきたその男を見ながら、蒼牙熊と戦闘していた皆が「えっ!」と呟きを落下するまで呆けて見ていた。
それから地上に落ちてうめいている男を捕らえて「可愛そうに」と誰でもなくそう言葉を漏らしながら、シルフィーたちの下に戻ってきて、この一件は片付いた。
第二章:第八話につづく
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