10.死の感触
俺は負けたんだという感触がじわじわとやってくる、負けたけど生きている本来であれば
殺されて当然なはずだが、莉緒奈の粋な計らいによって俺は死ぬというカウントがされない
そんなことでいいのか?俺は負けたんだぞ負けて黙ってられるわけがない
負けたからには何かそれ相応のものを失わなければいけないと思う
失う…デメリットを俺は背負うべきだと思う。
俺自身の意思でデメリットを受けて、次に莉緒奈と戦う時は
俺がそのデメリットを拭い去って圧勝できるようにならなければいけない。
そして殺すのではなく莉緒奈を守らなければいけない
俺はそれをやらなければ昔から何も成長はしないんだろう
だからこそ、俺はこの瞬間から自分を変化させる必要がある
そのためにはまずはりゅんに通信をしないと、かなり久しぶりな感じがする
まぁ、それもそうかあの日以来会う機会はないんだしな
何かの不具合等がない限り問い合わせても反応がすることはない
そういう細かなこともしっかり記載されてるから
もう一度チュートリアルで使われた説明をよく見直さなければダメだろう
1人で俯向きながら考え事をしていると、神巫さんが困った顔をしてこっちを見る
あぁ、俺は神巫さんに心配をかけていたんだな、本当に申し訳ない
1人でいるわけじゃないんだ、今は仲間がもう1人いるそのことをしっかり忘れないようにしないと
あの出来事をもう一度繰り返すことになる、そうは絶対にさせたくない
今でも思い出す度に後悔しかしていない、後悔しっぱなしでしかない…
何もかもをこれから変えていかないとな、立ち止まっていいのは最初の5分だけと決めているしな
「神巫さん心配させてごめん、気にしなくていいよ
俺はもう平気だから、心配しないで大丈夫だ。
それとなんだが、りゅんにさっきの戦いの勝敗についてを連絡しよう思っているんだが
いいだろうか?まぁ、俺の戦いだから神巫さんに聞くのもどうかと思うけど
念のため一応聞いてみたんだが、どうだろうか?」俺の戦いで他の人の意見を聞くのは初めてだと思う
いつもの俺はそんなことはしない、まずめんどくさいからしたくもないのだけど今回は違う
今回はもう死んでいるんだ、やり残したことをここでやって悔いのないようにしたい
もちろん最後まで生き残りたいとは思っている。だが、もしもの場合がある
だから、俺は最後まで全力を尽くして楽しんでこの世界は過ごしていきたい
このrestartだけは無駄にしたくないと強く願う
「私は構いません、亜疑斗さんの好きなようにすればいいと思います。
ただ、私を忘れないで下さいよ??少し置いてけぼりになってみたいで物凄くしょんぼりしたんですからね
だからこそ前を向いて下さい、私も強くなりますから一緒に最後まで生きましょう」
良い子だな良い子すぎて少しドキッとするから、そこだけ勘弁してくれ
それじゃあ覚悟はもう決まった、いや改めて今決まったんだろう
よしりゅんに通信を送るか、俺はコマンドを出していって問い合わせにて
りゅんの連絡先を表示しコンタクトを送ってみる、万が一繋がらなかったらどうするかは考えていない
もしも繋がらなかったら、他のことでデメリットを背負うかなと呑気に考えていたら
りゅんに繋がった「はい、こちらAIのりゅんですが四熊亜疑斗さんですね?お久しぶりです。ご用件はなんですか?長くなっても構いませんが、その場合お金を徴収するんでよろしくお願いします」
お金を取るのかよ、まぁ別に取られても悪くはないけどな…なんぼ取るんだろそこだけ気になる
「すみません冗談です。お金は取らないのでゆっくり喋ってくれて構いませんからね」
ころっと騙されたし、AIの知能高すぎじゃね人工知能とは思えんな科学の進歩は怖すぎるな
AIだけでゲーム成立しそうで怖いな、ログインできない時もAIを使ってログインとかしてたら
クソつまらなくなりそうだけど、かなり手間が省けて楽になるな迷うわ
いや、今はそんなことどうでもいいわ何考えてんだろ俺馬鹿じゃねえのかな
話を早く進めないとな「今回お問い合わせした理由なんだけど、先ほどPvPをとあるプレイヤーとやって
俺が負けたんだけど、そのプレイヤーが俺を殺さずにメリットにしなかったんだよ
だから、俺に1デスをつけて俺を負かした人に1キルつけて欲しいんだけど、ダメか?
名前とかはわかるから必要なら言うし、そこのところどうだできそうか?」
りゅんの顔がモニターからハッキリ映っててわかるけど、表情が変わったのを初めて見た
AIも驚くんだな、そりゃ人工知能でも感情はある程度あるのだろう
だが、そこまでえっていう顔をしなくてもいいと思うが
「自ら死を望むと?こんなことを聞いて失礼なのかもしれませんが、Mだったりしますか?
だったとしたら、遠慮したいのですがそうゆうわけじゃないのなら
理由をお聞かせ願いますか?なぜ助かったのにも関わらず、自らデメリットを得ようとしているのか
私にはあまりそういったことは理解できません。
大体の人は理解するのは難しいと思いますが、極少数の人にはわかるんでしょうね
なかなか面白くて興味が湧きますね
では、少しお待ちしてて下さい。色々準備をするのでその場から動く必要はないので大丈夫です」
そう言って通信が途切れる、何がどうなるんだろうか
まぁ、待つしかないから待つか
「はい、来ましたけど。もしかして休憩しようとしましたか?
私たちは何処でもテレポートを使用して一瞬で移動できるんで問題はないです
では先ほど言っていたことをやりましょうか、痛くも何ともないので心配しないで下さい
痛いほうがもしも良ければそうしますが、まぁそれは今度にでもしますか
今はあなたに死を与えることにします。
りゅんが少し呪文のようなものを唱えていく、意外と長く感じるそんな魔術あるんだな
そうしていくうちに詠唱は終わった、俺の体に変化は…ない、どういうことだ?
「ではこれをどうぞ、手に取ったら砕いて下さいそれであなたの死がカウントされるので」
手渡されたのは石板の様なものだった、そこには俺の名前が薄く刻まれていてかなり読みづらい
そして俺の名前より濃い字で死と刻まれていた。砕けば死ぬカウントの1回分がされるというわけか
実際だと死んだプレイヤーのデータが消滅されるんだろう
これが死ぬということなのか、特にこの紋章を触っていても何も感じない
ただ単に軽いだけの何も感じない不自然で気味の悪い石版でしかない
何も考えず真っ二つに割ろうとしたらあっさり割れてしまって
まるで砂でできているような脆さだった、砂でこんなに綺麗に形を作れるんだな
砂かはわからないけど多分砂だろう、砕いて本当に終わりなのか?
「お疲れ様でした体に何かを感じるような物では無いので、
気にせずいて下さい。あと蘇生するだけです。
死んだら生き返ることができる権利がありますからね、コマンドのスキルで蘇生を使用して下さい」
スキルコマンドを表示すると蘇生というスキルが増えていた、本当に死んでるんだな
全く変わらないと思うんだが、あの石盤を悪用したらやばいことになりそうだな。
人ごとみたいに思ったが、俺の名前が書かれた石盤を割られたらこのように死ぬわけか
それをβテストの後にやられたら、βテスター並びにこれからプレーしていく奴ら全員死ぬぞ
このゲームは未知な部分が多すぎる。情報が全く足りていない
友達リストのところが増えたのは嬉しい、だけど莉緒奈たちに助けを呼んで本当に来るか期待しづらい
街の中心へ戻ろうかもうほとんど街は修復されている。
「りゅん俺たちはもう行くから、ありがとうなわざわざ来てくれて
またこういう風に呼ぶかもしれないからその時は頼む」
俺はそう言って神巫さんと一緒に街の中心へと歩き出した
「そうですか、まだ気づかないのですね早く気づいて下さい。
あなたは絶望と希望を両方兼ね備えているのですから、あなた次第でもこのゲームは動きます
だから負けないで四熊 亜疑斗」
背中からりゅんの視線が消えた感じがする。テレポートしたんだろう
街の中央部に行くのも結構一苦労なのだが、この街はやたら広い
2番目に辿り着く場所にしてはおかしい感じがするのだが
もしかしたら俺はゴールからスタートに向かっているのか?少し不安になるな
遺跡に行ってないから、遺跡の周囲にいるモンスターの強さが不明
神巫さんは遺跡からスタートしたけど、周囲にモンスターを確認できていない
もしかするとそもそもモンスターのような奴はいないエリアもあるのか?
そこの所がわかれば大きな進歩になるんだが、いつも良いところまでわかるけど結果がわからん
腹立たしいな…そう思いながら神巫さんと一緒に歩いていると見覚えのあるやつが遠くに見える
急いで走って見覚えのあるやつに近づいて行く
「やっぱり誠じゃねえか久しぶり、ここに来たってことは手術に失敗したのか?
言いたく無いなら言わなくても良いけど、ここに来た理由をなるべく教えて欲しい」
「俺も嬉しいよ亜疑斗、手術は成功したんだけども
俺の寿命が短かったみたいでな長く持たなかったんだ意識が朦朧として今にも果てそうな時に言われんだよ
まだ生きていたいのか?もし君がまだ生きていたいのならば、そのまま眠ると良い
きっと君にとって良いことが起きるだろう、生きたいと願って静かに眠りにつくが良い
っていう風に言われた、そうしたらよくわからない場所にたどり着いて説明されて
わかったことが死んだっていうことだな、やはり死んでると思ったらお前らに会えたから
正直お前らも死んでると思うと辛辣でしかないよ」生きたいと願ってここへ来たわけなのか
待てよ「誠お前ゲームは届いてたりしないのか?新作のゲームが届いてるはずなんだが」
ゲームの届いている人がこのゲームのテスターじゃなければ、俺の推測は外れる
今までの情報の価値は無くなるわけだが「ゲームっていう風には聞いていないけど、名前を呼ばれて
お届け物があるから取りに来るか聞かれたけど俺はその時断ったな
次の日持って来てくれてて部屋に置いてあったけど封は閉じたまんまだな」
物は届いているようだがゲームかは不明かゲームだとしたら推測はあっている
「それで、少し頼みがあるんだここではなんだからその場所まで付いて来てくれ」
俺はその頼みを聞き3人で歩き出した。
かなり間が空いてしまいましたが、出せてよかったです。
次回
懐かしき奴らとの再会の中ヤバそうな少年が1人そんなに刺して痛く無いのか!?




