第六公演 ーすれ違いと遭遇ー
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現代、都市を代表し多くの人が行き交う交差点前の大きなビジョンに映るのは、とある爆破事件から10年という内容だ。通行人は気に求めていない。勿論、この世界の根底的な部分からやってきた異質がホログラムを纏う事すら気づかない。
たった今路地裏にて。怪しい真っ黒なスーツ姿から目立たないように、コウは地味な色のパーカー、ウサギはロンTに着替えた。派手な髪色はウサギは茶、コウは紺、ハツは赤茶などに変わっていた。ウサギの目元は馴染む様にサングラスに置き換えられていた。
「この世界は今アタイ達がいる都市を
中心に作られてんだ。
そして、これからその都市は
木っ端微塵に爆破される。」
堂々たる様子で語るハツは、スーツ時はズボンだったのに対し、短いミニスカートの地雷コーデをしていた。ウサギやコウは、ハツが何歳かは把握していなかったものの…比較的年上と見ていたので、服装なんぞ知りもしないウサギはなんとも言わぬものの、コウは目尻を引くつかせた。
「それはどう言う、、?」
ウサギが、ハツの言動がわからず首を傾げる。ハツが路地裏から出て、陽の下を歩き出すので歩き出すので慌てて追いかけながら尋ねた。コウもその後をついていく。
「ここは爆破事件を取り扱うミステリー小説ん中。
ま、ありきたりでそこまで面白かねえがな。」
先程のビジョンに写っていたのはその伏線だ。行き交う人の中を平然と歩く三人、髪色に驚く人もいたが、特に気にせず歩いていく。
「そんな危機的状況の中何をするんですか。」
コウが尋ねる。
「そりゃあタクミが言ってただろう。
作品の展開を変えることなく、
目標を捕らえるんだよ。」
爆破物、ハツは現代(世間一般的な現代)文化に当てられあちこちを見渡しながら歩き話す。ウサギもガヤガヤとして都市の雰囲気に少し圧迫感を感じながらも周りに耳を傾けていた。数々の噂話、過去の爆破事件を嬉々として話す若者は居ないようだ。陰気な話題は嫌なのか、それとも忘れたか、である。
「…平和ボケしてるんですかね…?」
平和というより、雑多な喧騒を耳にしていたウサギは少し前を歩き、2人に話しかける。
「誰だってそう人が死んだ話なんぞしたがら
ねえよ」
「でも話しでもしないと防げないでしょう」
2人が答えると、ウサギは大きな交差点の前で立ち止まった。
「きっとそう言うことなんだろうなぁ…
これから起こる爆破事件の要因は…」
死人の供養、それは噂でも可能である…誰かが覚えていることが重要なのだ。ウサギは悲しげに呟いた。紡がれてきた悲劇が途絶えた結果がそれである、と。三人は未来を知っており、その未来を壊す人間を捕まえるいわば時空間警察というものに当てはまるのだろうか?この三人にそれほどの大きな肩書を載せるのは勿体無い。
ウサギが名前の如く、鼻を効かせて歩く。
「これからどこに行くんですか?」
「事件が起こる時奴らはきっと堂々現れる。
アタイらは起こる予定場所で待ち伏せだ。」
甘い匂いが漂ってくるのに気づいた。チャリンと、独特な金属が触れる後を聞く。ハツが小銭入れを取り出した。
「ん…時間かかるかもしんねぇな。
仕方ねえ、この金で2人でなんか買ってこい。」
突然立ち止まったかと思えば、ウサギとコウに小銭入れを押し付ける。コウが受け取り中を見ると、500円玉が数枚入っていた。会社には通貨という概念がない…それにこの金は作品内にしか出てこない特殊なものだ。その上そんな貴重品をいつか虚空に消える作品に消費するなどあまりにも勿体無い…はずだが、彼女は自信満々だった。
「どこでこれを、?」
コウが500円玉を睨み、ウサギにそれを渡しながら自分たちを置いていこうとするハツに声をかけた。
「さあ知らん、タクミからだからな。
ともかく、アタイは様子見しなきゃだから、
お前らを置いていく。」
コウがそう言われてハッと顔を上げた。ウサギは500円玉に夢中であり、手触りで“500”と書いてあることに気づき興奮しているところだった。
「待ってください!!
どうやって連絡を取れば、…」
ハツは人混みに消えていた。
「コウ!これすげえな!金属に彫りが…
コウ?」
コウはあからさまにため息を吐いた。ウサギは眉を下げる。顔に、俺と一緒、そんなに嫌か?と書いてあった。こうはそれに応えるように、そうだと目を細めるだろう。しかし、それがウサギに見えることもなく、伝わることもなかった。
…
「コウ…なぁ、コウ?」
さっさと歩くコウに対して、ウサギはしつこく聞く。事件現場予定のショッピングモールでは、相変わらずウサギたちの見た目年齢と同じくらいの少年少女が騒いでいる。コウは耳障りだと言わんばかりに顔を顰めたままずんずん突き進んでいる
「そんなにつまんねえか?」
「あぁ。」
「なにが?」
「自分で考えろ」
「はぁ?」
コウが突き当たりを右に曲がったので、慌ててウサギもついていく。喋りを垂れているウサギに対し、コウは一方的に無視を貫いた。
「お、俺のこと嫌いならそう言えよ。」
とあるアクセサリーショップでコウが立ち止まったので、そのタイミングでウサギがそう発した。言うかいうまいかの戸惑いを隠しきれず言葉が詰まったものの、言いたいことを言えたようで句点のあとは大きく息をつく。
「ああ、嫌いだ。」
あまりにも単調かつ、どこかありふれた会話だが、互いにどこか引っかかりを残すようなものである…嫌いなんぞ、その言葉自体に優しい意味を持つことはほとんどない。しかしコウはそこまで断言した様子はなく、軽口を叩いた様な感じだった。
「…奇遇だな、俺もお前なんか嫌いだ」
ウサギは突いて出た言葉を共に吐き出した。コウへ守るもののない眉を吊り上げて睨む。カシャンとつんざくような音がして、ウサギが跳ねた。なにも言い返してこないコウ、。数秒後、返答がずっとないコウに対しウサギが話しかけようとして、謝ろうとしたところですでに彼はいなくなっていることに気づく。ウサギは音にかき消されたコウの足音に気づかなかったのだ。手を伸ばすこともできずに呆然と立ち尽くした。
「…これ俺が悪ぃのかな…」
ウサギが呆然と呟くと、弾く様な素早い足音が自身に向かってくるのを感じて振り向いた。
「いたっ、出番だよ!!」
ハツだった。ウサギの腕を掴む、なにをしてきたか甘い香りがふわふわ漂っていた、彼女のネイルがウサギの肌を刺す。
「ッハツ先輩、!あの、コウがまだで、」
「はっ、
侵入者を知らせてくれたのはそのコウだよ。
アタイもアタイだが…
お前一体は何やってたんだい?」
ウサギは口を閉じた、…喧嘩して不貞腐れてたなんていえない。コウは拗ねて逃げたのではなく、気づかなかったウサギを置いてハツに知らせに行ったらしい。
嫌いだと言われたから嫌いだと言い返せばそうなった。あってまだ少ししか経っていないのに嫌い同士は少し微妙であるし、しかもそれを面と向かって言われあっちゃあたまったもんじゃない。ウサギはつくづく自身の目が効かないことを後悔した。
「はぁ……あいつにゃもういっちまったからな。
早く追いかけんだよ阿保! 」
ハツは呆れた様子で、ウサギの腕を引いて走りだすのだった。
…
「この世界は今私達がいる都市を
中心に作られている。
そして、これからその都市は
木っ端微塵に爆破される。」
ククが少し小さな声で言った。薄汚い路地ですら懐かしく感じる。生まれ育った所の路地は汚いと思って入ったことがなかったはずなのに、懐かしい。スーツからキラキラと星が散るように…言い表せば魔法少女が変身するかの様に。見慣れたシャツとジーンズへ。着心地は最高でありスーツの動きにくさを改めて実感した。…カーディとシュメルはザ・現代社会を象徴する某区のスクランブル交差点や、走る色とりどりの物体に動く絵などで頭がいっぱいいっぱいになっていた。…ササミとモモは留守番である。まるで遠足気分のファンタジー二人組に、シシとクク。ククがいるだけでうっと心強いメンバーだ。
「その剣はしまっておけよ。
“銃刀法違反”になるからな。」
俺がいく前にシュメルに渡した剣、シュメルは言葉の意味をあまり理解しないまま剣を鞘にしまって抱えるようにして持った。ククが突然耳に手を当て、そっぽを向く。恐らく本部(ともかく、それが相応しいかは分からないが、ササミとモモが留守番をしている小さなトタン小屋をそう呼ぶとした)に連絡でもしているのだろう。その隙、同時に俺のシャツを引っ張ったのはシュメルとカーディだった。
「ど、どう言う技術なのですか!?
魔法は使ってないのでしょう!!??」
カーディが俺の服を掴んで、キラキラとした声色で何度も跳ねていった。
「ひぃ、…」
一方シュメルはその鉄の塊が恐ろしくなって小さくそう言うのだった。勇気ある者じゃなくなった今、シュメルはただのシュメルだ。俺はそれがなんだか嬉しくなったので、小さいカーディと、縮こまるシュメルの頭をポンと優しく撫でた。
「あれは車って言うんだ。
魔法じゃなくて、ガソリンで動いている。」
懐かしいのは路地裏だけでなく、年下や未熟者に何かを教える優越感もである。それはまたいた世界自体に対してでなく、多分もっと古い妹を思い出しての感情な気がする。
「クルマ?クルマっていうのですね!」
ガソリンとはなんなんですか、?
食べ物…?」
「っ…く、クルマというものは、
恐ろしいものですね、?」
カーディは好奇心に溢れ、シュメルは長い足を折り曲げその場に触り込んだ。
「まあ、怖いってのは…否定できないな。」
俺は苦笑いしながら同意する。
「シュメルは魔物と戦うより、
あの未知に立ち向かう方が嫌です…」
「えっ、そんなに?」
シュメルが俺の後ろの、そのまた後ろのカーディの後ろに隠れていった。カーディは可愛らしいワンピース、シュメルはパーカーにズボンと言ったラフな格好だった。シュメルがワンピースにしがみついたせいで皺がつく。
「んまあ、襲っては来ないから安心しろよ」
ククがシュメルのサラサラとした、元々薄桃色で、今は色素の薄い茶髪を崩すように撫でた。
「そんで、マワル。
こっから移動して約5分の商業ビルに爆薬が
置いてあるらしいけど…
特別にリスクを犯してお前の案を採用したんだ、
責任取れるよな?」
脅し文句のようにも聞こえるククの言葉に、俺はしっかりと頷いた。彼は深くコートのフードを被った…俺が考えた作戦、俺が考えた、ククとの交渉。
俺は思っていた。クク達が言う会社のシステムの杜撰さや、社員達を思う言葉。それは確かに、頷けるものだったものの…出てこなかったのは“物語の登場人物”に対する哀れみだった。シュメル達を助けた時強く思った、その哀れみ。社員が仕事と消費するのは、登場人物が死んだら殺したりの展開の補助だ。まず、物語が存在すると言う根底が狂っている
「物語をぶっ壊して、
不幸者に真実を受け渡して…
そして救い、仲間にする。」
この物語を選んだのは、俺が扱いやすいと感じたからである。内容とし…実は、爆破テロの被害者が主人公となり、大切な人が巻き込まれて死んでしまった悲しみから湧き上がる思いをつてに、次に起こる爆破を予測し未然に防いでいく…というのがメインの内容である。
そのメイン章はここでは、10年前も前になる。今いる最終章…最終回は、主人公が事件の風化に絶望し、もう一度、同じ場で爆破テロを起こす。なんて悲惨な内容となっている。誰も報われてないじゃないか。こう言うのが一番、大嫌いである。
事前に爆発物を回収、排除。主人公との接触を図り真実を伝えては…仲間にする。
ヘルメットを下から見上げるも、何も見えないクク。彼は少し悩んだ末、俺に計画を立てることを許してくれた。物語内に潜り込むのはさして難しいことではないらしい。管理人達は、溶け込めば溶け込むほど…俺らを見つけにくくなる。それは物語に対し干渉を深めるということだ。
主人公との接触、または主人公に関連したものへの接触は比例して干渉を加速させる。なんと好都合か、主人公に近づけば近づくほど、捕まりにくいのだ。
「絶対捕まる、みんなお陀仏だな」
隣でシシが頭を掻きながら言った。…問題は、その爆発物が隠れている場所に行くまでの道のりである。
「大丈夫、援護は私がするから安心しろ。
怪しく動かなきゃ、きっと平気だ。」
ククは気楽に答えた、カーディはシシが苦手なのか、ピンのような装飾物に変わったツノを弄りながらシシを睨んだ。目立つ白髪は灰色に変わっている。
「あぁ?何睨んでんだよ化け物女」
シシは我慢できなかったのか、悪態をついて言った。
「っ、だ、誰が化け物女ですって!?
…私、先程から思っていたのだけど…
シシ様は少し態度が悪いと思いますわ!、」
ガーディが喧嘩を買いにかかって、威勢良く行った。
「はぁあ〜??何高貴ぶったんだよ。
お前ここじゃあ、俺よりずっと下の下の、
そこらへんの女と変わらないんだからな?」
「ッ、私の魔法にかかれば、貴方様なんて!!」
「あぁ!?俺の力にかかれば
お前なんて八つ裂きなんだよ!!」
路地裏に声が響く。俺とシュメルは慌ててしー、と口元に人差し指を当てて言った。
「少しは静かにしろよ…」
カーディはハッとし、端ないと悟ったのか三つ編みを揺らしてシュメルの後ろに隠れた。シュメルはそっと笑ってカーディを撫でる…シシとカーディはいいコンビになるかもしれない、と俺がほのかに思った。
「ほら、行こうぜ」
俺はため息混じりにいっては、辺りを見渡し全員と目を合わせて…ククが頷いて、そのように前へ出た。
人混みを抜けて、きらきら輝く都会を歩く。シュメルは相変わらず震えているし、カーディは猫が如くあっちこっち行って迷子になりそうだ。シシは俺の足を一度踏んだが、謝らなかった。
ククがあたりを確認して、お、と気づく。
「あそこだな。あのショッピングモールの
東非常階段に仕掛けてある…らしい、
もしくは仕掛け途中かな。」
ククが顎に手を当てて言った。それは俺にとっても見慣れて、そして少し憧れていた大きなショッピングモール、…東京や日本の街並みは変わらないのか?それは共通なのかもしれない、俺は心の隅で思う。
中は若者で溢れており、しかしシュメルやカーディはあまり珍しがらなかった。
「王都の朝市も、若い者が訪れて
このような感じでした」
「…わ、私も時より立ち寄っていたので…
分かりますわ、」
シュメルが平然と答えるのに対し、カーディが恥ずかしそうに言った。シュメルは少しギョッとしたものの、ふっと笑って流す。すでに俺がいらぬほど仲が良くなっているようで、安心した。
そうやって歩いていると、甘い香りがしてきた。甘味祭りなんてものがあり、甘いものが安売りしていた。カーディが目をきらめかせたので少し立ち寄ろうかと思ったが…
「、…いや、ダメだ。」
シシが呟く、ククも頷いてその場を離れた。
階段前、薄暗く人の少ない場所に着いた辺りでククが説明した。
「しっかり管理人がいたな。
甘味に夢中だったけど。」
少しククはおちゃらけて言った。管理人でも作品内のものを購入可能なのか、?…もし買えなかったとして、さすれば匂いだけ楽しんでいた管理人がいたと言うわけだ。それは…少し可愛い。
最上階の8階の一つ下、目当ての爆弾は7階東階段。しかし8、7、6、5階はオフィスフロアであり、東階段に行くには4階から5階の東階段へ続いている西階段を抜けなければならない。非常口には鍵がかかっているはずだが、すでに主人公が通った後なので開いたままらしい。
窓のない4階の西階段へ。見渡すもひとっこ1人おらず、犯人である今作の主人公もいない。爆弾を仕掛けている途中なのだろうか?それならば、爆弾の処理の手間を省き勧誘することができるから都合がいい。
かん、かん。と音を立てないようにしていても金属と靴は勝手な声をあげる。
「あの、一ついいですか?」
足音に耳を傾けて始めた頃、シュメルが手を上げて聞いた。一同が立ち止まる。
「っ、きっと、魔法が使えれば、この作戦は
楽だと思ったんですが…、
なんでここや、あのトタン小屋のある場所では
魔法が使えないんですか?」
…的を当てた問いかけだった。俺は魔法がない、と言うのが常識だったから質問に当たらなかったが、シュメルやカーディからしてみれば、なぜ当たり前に使っていたものを使えないのだろう、と不思議に思うだろう。
「いい質問だ、シュメル。」
ククが立ち止まった。この世界のことをよく知り得ているのはやはり彼らしい、ヘルメット越しにくぐもった声が非常階段の閉鎖的な空間に響く。
「シュメルやカーディの魔法、
シシにもまた、元いた作品からの異能が
あったりするんだけどな。」
俺はハッとしシシに目を向けた。興味な〜さそうに目を逸らしている。、確かに思い返すと、カーディとの口喧嘩の時“俺の力”と言っていた。
「あれらは全部、材料が共通してんだ。
大抵、異能や魔法を使う作品にのみに
特殊なエネルギーが使われる。
作品の空気中に充満されたそれらが
源になってるんだよ。
けど、もちろん異能や魔法を扱わない場合
そのエネルギーは必要ない、から使われる
こともないんだ。この作品も、ファンタジー
やSFもんじゃあないから使われていないんだ。
あのトタン小屋の世界も同じような感じだな、
詳しくいえばあれは荒廃世界の作品だが…」
ククは再び歩き出しながら、足音に声を混じらせて行った。シュメルはまるで勉強するかのように頷いて聞いている。カーディは登るのが疲れたのか息を切らしていたので途中でおぶってやった。
特殊なエネルギー、その特殊な意味が気になるものだ。材料が一緒であり、それがないと作れない。一貫したそのエネルギー供給の問題。単純構造だ。俺は納得しながらも、俺の世界にはきっとそんなものなかったのだろう、と考える。…一貫したエネルギー…と言うことは、魔法を使う世界でも異能を使う者たちは有効なのだろうか?実際、ファンタジーや非日常の作品と、現実的な作品での違いや見分けはそこでつくのかもしれないな…。
4階からから5階階段に移動する。扉を開ければ、風が吹いた。なんと屋外型の非常階段であり、下を見れば足が竦む。カーディは慌てて背中から降りた。
「なるほど…万が一ですが、
エネルギーを扱わない場へエネルギーが
溢れた場合はどうなるんですか?」
ククとシュメルが話し込んでいる、意外と気が合うのだろうか?
「いや、そんなことは恐らくないと思うぞ。
あったら大問題だからな、多分エネルギーを
感知した時点で、エネルギーを受け入れるように
できていないから空間が壊れるんじゃ…」
「っ、じゃあエネルギーを作品内に持ち込めば
作品の定義が壊れるともに、楽に作品を
破壊できるのではないですか、!?」
シュメルは自分の思いつきに興奮したのか、全員の最後尾から先頭に立ちみんなの方を向いて笑顔で言った。現在東階段5階。目的地は更に頭上の爆弾が置いてある場所だ。
話の最中。俺はしっかりと見た。シュメルの背後に、人影が動くのを。
「っ、誰が、」
「目標を発見しましたので、
確保を開始します。」
俺が言う前に、芯のある、男性の声が被さった。シュメルが振り返る最中に見えた紺の癖っ毛、世間一般的に見る色である。しかし、瞳は物珍しい紅色である。
そう、それはまさに最中である。
「ッシュメル!!」
ククが叫ぶのと男が動くのと同じタイミングだった。シュメルは飛びかかってくるのソイツに驚き、咄嗟に動けず、シュメルが驚いて見開いた瞳に男の赤い瞳孔が光の筋が映った。
「ッ青髪!!たくっ、出るのが早いっての…
おっと!手助けは入らせないよ。…」
若い女性の声が響いた。今度は背後から。カーディが驚き俺にしがみつく。俺も咄嗟に行動ができなかった。
シュメルが前に行ったため、最後尾となっていたククの足に赤い糸のような、また鮮血のようなものがへばりついているりぱっと見20代ほどの女性、高校生が着るような服装だ。歯をちらつかせククに対し大口を叩いて言った。その後ろにも茶髪の男性がいるように見えたものの、女性に隠れてしっかりと確認できなかった。
「ハツ!?なんでお前がここに!?」
ハツと呼ばれた女がキッ、とククを睨んだ、がすぐにニヤリと笑う。先頭をみやると、シュメルが剣を取り出し、少し位置を確保して男と睨み合っていた。
シュメルは目を細めて場を詰めようと男に進んで行った。シュメルは剣においては最高峰だろう、そのまま非常階段を踏み締め相手の首を貫きー
「馬鹿だな、
タクミが対策をしていないわけねぇだろ。」
シュメルが首を刺したと思った相手は、剣を直で掴んだ。、血は出ない。…剣の、割れていた真ん中の最初からぽとりと何かが落ちる…それは、判別不可能な黒い粒だった。
「 ッ ”」
シュメルの顔が絶望で真っ青になる前に、男が先に踏み出して片手で腹を殴った。シュメルは下に落ちなかったものの、弾かれるようにこちらに転がって来て、俺の足元に落ちて来た、カーディが慌てて駆け寄る。
「さ、袋のネズミだよお前らは。
観念しやがれ」
女性の甲高い声が響く、狭い非常階段の中諦めるしかないと、語りかけてくる現状…。
救った2人が目の前で怯えて、1人は俺の考えた作戦で傷ついた。カーディが縋るように、嗚咽を吐くシュメルを庇うのと反対の手で俺の手首を取った。
どうする?どうする?俺のせいだ、…剣に仕組まれていたのは盗聴器?だとすれば俺の確認不足だろう。水晶が割れた時点で気づくべきだったんだ。ここで終わるのか?ここで物語が、終わるのか?みんなまとめて消されてしまうか…
「助けて、…」
…それは嫌だよな。終わるのは。
「助けて、マワル様。」
カーディが俺の手首を強く掴んで言った。その顔を見て、俺の中で何かが舞い上がって宙を飛んで、熱を発するのを感じた。
突然、俺とカーディの肌が触れ合っている間が、光り輝いた。
▼
初めまして。
処女作にして早くも絶作となりそうな此方をご観覧していただき誠に有難う御座います。
タイトルも仮で、とりあえずの投稿になります。
スマホのメモアプリでちまちま書いていたものを放出予定で、大体週末に1エピソードずつ投稿する形になります。もし先が気になる、なんて方は沢山急かしていただければと思います。何卒よろしくお願い致します。あと何かいいタイトルありませんかね。




