28:月明りの下の話し合い
ベットに腰掛けている想に質問した
『そうだね』
『えっと、想の?』
『うん。右目のだね』
『その…』
彼女の右目には眼帯が付けられていた
正直、あの想が右目を失ったの理由が気になる
だけど、踏み込み過ぎな気もする
『理由?』
『う、うん。聞いてもいいの?』
『いいよ』
そんなにあっさりとした返事に、少し驚きつつも彼女の話に耳を傾ける
『まず前提として私は記憶がない。今のメンバーに出会うちょっと前に入っていた牢獄があったんだけど、そこで目覚める前の記憶が一切無い』
あたしは驚きつつも、彼女の言葉を思い出して表情に出ないようにする
彼女の顔は驚きに包まれていながらも、優しく呟く
『君は心配しないんだね…』
『逆に心配してほしかったの?』
『そんな事は無いよ。話を続けるね』
あたしは頷き、彼女の話の続きを聞く
『まあ話した通り。目が覚めたら何か変な牢獄に居た。そこを抜け出す為にいろいろやった結果、何かボスみたいな奴が居たんだよ』
『ボス?』
ボスと言われると魔物が思いつくのだが…どんな場所だ?
『そうだね。種族は魔人かな?まあ強い奴でね。結果はまあ敗北かな…私的にはだけど。相手の魔力切れだったし』
普通に生き物だった
『相手は勝ちって認めたの?』
『うん、一方的にね。ただな〜。本当に魔力切れだったかも怪しいからね。あのレベルの手練れで、あの優しさ…はぁ』
『へ?優しさ?そいつは想の目を…』
『体の部位どこか吹き飛ぶって言われて目がいいって所望したのは私だし。あの時の目覚めたばかりの単純な私の目だけを吹き飛ばしたんだぞ。それにアイツは…』
『…?アイツは?』
『…いや。あれは機密情報だったぽいし、言わない!』
『ええ!』
そこまで焦らしておいて!
『まあまあ、そこまで大きい声は出さない。私の話は終わり。私は改造したかったから結果オーライだし、心配もしなくて結構』
『そっか。想がそこまで心配するなと言うんだったら、あたしも心配しない』
『物分かりが良くて助かる』
私は彼女に全てを話した
『ねぇ想。ところでこの目はどこかに依頼するの?』
『いや、能力だけど…』
『…やっぱりその能力便利すぎない?』
『いやいや、無から構築する事は出来ないから。これレベルの素材になると実物が必要だし…』
『それでも、だよ…はぁ、本当に能力の事は言わないでね?』
『分かってる分かってる』
私は笑いながらふと思う
『ねぇねぇ。魔物と生き物の違いって説明できる?』
『急だね?出来るけどどうしたの?』
『私が知らないなって』
『そぉ?じゃあ教えてあげよう』
『お願いいたします』
私は頭を下げて彼女にお願いする
『まあ簡単だよ。意思を持って言語を話す生物の事を生き物っていう。簡単な話、言葉を覚えれる程の知能がある生物だね。それ以外は魔物。普段食べているお肉とか、ペットとして飼っている生物とか、そういうのも全部魔物っていうね。そして、生き物と魔物をまとめて生物って言うの』
『ありがとう、分かりやすかったよ。ところで質問いいですか』
『あたしが分かることなら答えられるよ?』
『では。なんでそんな面倒な区別方法なの?』
『えっとね。元々生き物は魔物から生まれた突然変異が有力な説なのね。大体の種族の元の種族が揃った後にこの説が提唱されたのね。そこから増えた種族は、既存の種族の派生なの。機械人は人間、吸血鬼は鬼、人魚は水龍、岩人は巨人、魔人は悪魔…ざっとこんな感じだね。これらの種族は派生元が分かっている。他の種族は魔物からの派生だと言われているけど、あくまで説のまんまだね』
『そっか…ていうことは説が立証されるか、消滅しない限り、このめんどくさい区別方法は消えないのね』
『そういう事。ちなみにかれこれ32134年ほど言われ続けているけどね』
『てことは10071年に唱えられ始めたって事?全然分からないじゃん』
『魔物の研究も進んではいるんだけどもね…こればっかりは魔物が生き物になる所を発見しないとね…』
私は理解しつつも言葉を発する
『そういう物か…』
『そういう物なのだ』
『…ありがとね教えてくれて』
『いやいや、じゃああたしはこれで…』
『えっ、言っちゃうの?』
『えっかわ、ゲフンゲフン。分かった行かない』
『いや、用事があるならいいけど』
『いやいやいや。寝るだけだからね。問題ないよ』
『そうかい。でも私も話すネタは無いよ?』
『ええ!じゃあどうしよ…』
そして彼女は顎元に手を添えた
『じゃあ、アンの話してよ』
『え、あたし!?』
『うん。私ばっか話しちゃったし。君の話も聞かせてくれないかい?』
『うーーん。兄がめんどくさいぐらいじゃないかな?』
『聞かせて聞かせて!』
『え~。…想がそこまで言うなら』
何とも面白そうな話が聞けそうだ
『あたしの兄には会ったことはあるよね?』
『えっと、アルロさんで合ってる?』
『アイツにさん付けなんかいらないよ。前から事ある事に呼ばれるのに、今回の事件で更に心配されるようになって…はぁ』
『うーーん…そこまで愛されているって事じゃ』
言葉を返すと、彼女が
『限度があるの!はぁ、パルさんが居なければアレの倍喰らってたと考えると…はぁ』
『…何か、傍から聞いている分には良い兄ではあるんだけども、妹から見たら大変なんだね…』
『本当にそう!何もかもあたしを優先するせいで、モテてるのに…何なら両思いなの分かっているのにも結婚してないんだよ!あーーなんでだよ、腹立つなぁ…』
『えっと…そりゃまた何で?』
『あんの馬鹿兄様の脳内あたしは幼少期の弱いあたしのまんま。せっかくちょっとずつ認めてくれてたのに、あの暴走のせいで!』
彼女は拳を握りしめている
まあどんな者でも一目見ただけでイラついている事が分かるぐらいにはイラついていた
『どうどう。ほら』
彼女に向かって両腕を広げて受け入れ態勢を取るが、彼女はポカンとしていた
『へ?ど、どういう事?』
『なんでそこまで察し悪いのさ。ほら、ぎゅってしてあげるから』
『な、なんで!』
『ストレス軽減にいいって聞かない?気のせい?迷信?』
『まあ落ち着く者は落ち着くと思うけど…いいの?』
『良くなかったら進めてないよ』
『じゃ、じゃあ』
そう言葉を発すると、ゆっくりこちらに近づいてきた
そして、ゆっくり腕を広げて私を包み、頭を私の肩に置く
『それじゃ、話し続けようか』
『あっ。続けるんだ!』
『そりゃ勿論。途中だし、気になるし』
『そ、そっか…でも、そんなに話す内容も無いよ?』
『いいからいいから!』
『え~。しいて言うなら、あのクソ兄様を結婚させたいかな』
『じゃあ、しっかりしている所を見せるか、独り立ちするぐらいしかないんじゃないかな?』
『とっくに一名で暮らしてるし、大将まで上り詰めたのだけれども…』
『あ~』
『あの、カス兄様自身も相手の恋心には気付いてるし、クズ兄様もその者を好きなのは知っているし、相手にも伝わっているんだけど…付き合わない。どうやら告白までしているっぽいんだけど、あのゴミ兄様が『アンの事を安心して任せられる為には、アンがしっかりしている所を見るか、ちゃんとしている、任せられる者に任せないと~』とか言ってるし…はぁ』
『その…お相手さんはなんて?』
『パ…あの方は優しいし、あたしの考えも伝わっているから、納得はしてくれているのだけども…アホ兄様は290歳、お相手さんも279歳だから…いよいよちょうどいい年齢なんだよ。どうしようかな…あのヤバ兄様の子供とかいろいろ考えるとね?一、二年程で認めさせたいんだよ。はぁ、普段の戦闘時だったら頭の切れる奴なのに…』
『国を出るのは?』
『論外。あの…兄様はあたしが国を出るときはとてつもなく心配していると聞くんだよ。それを数年間やったら、兄様がおかしくなっちゃうよ』
あ、多分これ以上の簡単な悪口が思いつかなかったんだな…
『ちょっと、想。聞いてる?』
『聞いてるよ。でも困ったね…』
『うん…』
彼女は抱きついたまま考えている
『とりあえず。今回の事件は…』
『無理だよ、アン』
『…そっか』
『無理に解決しようとして悪化させたら大変でしょ?だから、アンを認めさせるのは難しい』
『…ありがとね』
そういって彼女は離れようとするが、私は彼女にくっつく
『そ、想?』
『安心してよ。結婚させるにはアン自身を認めさせる必要は無いでしょ』
『そうだけど…あたしは結婚する気も無いし、難しいよ?』
『いやいや、結婚しなくても安心して任せられる者でいいんだよ』
『でも、そんな者…』
『安心してよ。今回の事件は私がメインで解決する。そうして私と友達!とかなったら、ね?』
『う~ん。そこまで上手くいくかな?』
『行ける行ける!』
『でも、一つ懸念点が無い?』
『…何?』
『いや、本当に勝てるのかなって』
『安心してよ。私に混沌は通用しないし、それに相手の事を考えるとね…』
『…考えると?』
私は窓の外を見て呟く
『恨みでどうにかなっちゃいそうだから』
『へ?それはどういう』
『さあね。私もわからないけど、体が疼く。まるで復讐をする前の者みたいにね』
『なんか、よくわからないね』
『ふふ、確かに』
確証は無い、でもおそらくは…
いや、何でもない
どうもどうも
私が書きたい!って思った物を厳選して取っておいているのですが、書きたくて書きたくて仕方がありません!
ですが、特にそこまで設定が決まってないんですよね
ここを読んでいる皆様がですね、次の作品まで見続けていましたら、あの時こんなこと言っていたななんて思い出してくださいね、まあ思い出さなくてもいいのですが…
次の作品魔法じゃなければ、あっ飽きたんだなとか思ってください
ではでは~




