第二十二話 畜生道2 / 逃げきっても
私にトラウマを植え付けた畜生共はなんとか彼が振り切ってくれました。
けれど行くとこ行くとこに畜生がいて本当に怖かったです。今でもその恐怖は消えず軽度ではあるのですが男性恐怖症です。
正直彼にも『怖い』と言う感情は少なからず感じていました。
いつあの畜生共のように私を襲うのか本当に今すぐにでも離れたかったです。
けれど彼は私のその感情を一切気にせず、ずっと私を同じ抱えかたで走って逃げ続けてくれて、ともかく俊足だった彼は次々に追いかけてくる畜生を振り切り続けてくれてました。
正直に言うとどれくらい数がいたかは見ていません。畜生の声で追いかけてきていると認識していただけで、もうあの裸体をみたくないの一心で畜生を一切目にいれてません。
するとそのうち畜生共の声が一切聞こえなりました。けれど彼はその後も走り続けどこかに向かってる様子でした――
「……よし着いたっ。ほらもう目開けていいぞ」
その場所は川の音が大きく聞こえ、まるで滝の中にいるような感じだ。男はヨウを下ろした。
ゆっくりと目を開ける。一番最初に目に入ったその男を見るや否やヨウは叫び声を上げた。
その声に焦った男は咄嗟にヨウの口をてで塞ぐ。
「しっーしっしっ、大きい声出さないで」
塞いで手に涙か蔦う。ものすごい震えがそれだけでも伝わってくる。目を合わせると異常に怯えている。
それも当然だ、女の子にとって一生で味わう確率の方が少ない恐怖を寸前まで味わったヨウにとって目に見える男全て恐怖の対象。
男はヨウの状態を見て完結に叫ばないでくれとだけ言い、ヨウから離れていった。
ヨウは座った状態で男から目を離さず後ずさりしていく。男から距離を離していくと背中は壁にくっつき、ヨウはその場で三角座りをし丸まった。視界から男を外さず。
その男もヨウをチラチラ気にしながらも紙に何か書き紙飛行機にして飛ばした。
ちょうどヨウの目も前でそれが落ちる。ヨウは一瞬紙飛行機に視線を送るがすぐに男に視線を戻す。
男はか飛行機を指差す。
男と少し距離がある、ヨウは警戒しつつゆっくりと紙飛行機に手を伸ばし掴み取った。そしてそれを開ける。それには文字が書いてあった。
ヨウはその文字を読もうとしたがどうしても男に視線がいってしまう。
……進まない、そう感じた男はその場に寝転びヨウに背を向けた。
その様子みたヨウは文字を読み始めた。
「君が怖い思いをしたのは分かる。女の子にとってレイプがどれだけ心に傷を作るか、そしてその傷は一生消えない。だからそんな怖がってる君をこれ以上怖がらせないために俺からは声をかけないし一定の距離を開け続ける、君がほんの少しでも俺に心を開いてくれたなら君から話しかけてくれ。by飯は俺が作る」
そう書いてあり、すぐさまヨウは男に視線を戻したが男の姿勢は一切変わっていなかった――




